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〈バスケットボール選手権〉老若男女のプレーヤー、熱戦繰り広げる

2013年07月03日 13:39 スポーツ
大阪(白)対愛知(えんじ)

大阪(白)対愛知(えんじ)

在日本朝鮮人バスケットボール選手権大会(6月29~30日・小田原)では、各部門で熱戦が繰り広げられた。

男子Aリーグでは、個人能力で勝る東京と大阪が頭ひとつ抜きん出ていた。その2チームがぶつかり合った試合は、白熱したたたかいに。大阪が突き放しにかかるも、東京も追いすがり、一時は逆転に成功する。しかし昨年覇者の大阪が底力を発揮し、80-70で勝利を収めた。Bリーグでは、3戦全勝の愛知が決勝に駒を進めた。

決勝戦では大阪と愛知が対戦した。早い攻撃と個人技で愛知を翻弄した大阪は序盤に大差をつける。愛知も負けじと猛烈な追い上げを見せるが一歩及ばず。84-73で大阪が2年連続4度目の栄冠を手にした。大阪が連覇を成し遂げたのは初めて。

4チームの総当りで行われた女子の部では、初日目に2勝ずつ上げた東京と京都が優勝を巡り、激しく火花を散らした。3ポイントシュートを決めリズムを掴む京都に対して、東京は徐々に持ち前の運動量を発揮していく。東京は最後までチーム一丸となって走りきり、21連覇という快挙を達成した。

東京の許智淑主将(27)は、「今大会で課題が明確になった。基礎的な技術や体力を向上させ、これまでの伝統を守っていけるよう日々の練習に精力的に取り組んでいきたい」と語った。

その東京と初日目に大接戦を繰り広げたのが、大阪・兵庫・神奈川で構成された連合チーム。各地域の都合上、控えがいない5人で大会に挑んだ。しかし大会当日に初めて顔を合わせたとは思えないスムーズな連携を見せ、最後の1プレーまで勝敗がわからないというところまで東京を追い詰めた。李寿香さん(兵庫)と金玲華さん(大阪)は、「初めての経験だったが問題なくコミュニケーションを取れた。一緒にプレーしていて楽しかった。機会があればまたこのチームで大会に臨み、優勝したい」と口をそろえた。

東京(白)対京都(紺)

東京(白)対京都(紺)

大会最優秀選手には、男子・高尚範選手(大阪)、女子・姜承済選手(東京)が選ばれた。

マスターズには、東京、神奈川、愛知の籠球団と小田原の日本人チームの4チームが参加。決勝では、東京と神奈川が対戦した。実力差を見せつけた東京が67-52で勝利し、優勝を果たした。

また、初級部生の技術向上や育成を目的に行われたミニバスには、東京都の朝鮮学校選抜(男女)、神奈川県の朝鮮学校選抜(女子)、大窪ミニバスケットボールクラブ(男女)の計5チームが参加。男女ともに大窪が優勝した。

老若男女のプレーヤーたちが参加した今大会で、最高齢のプレーヤーだったのが54歳の文慶福さん(神奈川)。バスケ歴42年の文さんは、現在も週2~3回行われている籠球団の練習に参加し、汗を流している。「バスケで大切なのは闘争心とチームワーク。若い選手たちとプレーをしていると、たまについ熱くなってしまうが、いい刺激をもらうことができる。これからも体が動く限り、大好きなバスケを続けたい」と笑みを浮かべながら語った。

バスケを通して朝・日親善深める

ミニバス-神奈川(白)対大窪(青)

ミニバス-神奈川(白)対大窪(青)

小田原バスケットボール協会では、ユース世代の南朝鮮遠征や、2009年には両国の大学選抜による親善試合が小田原で行われるなど、国際交流を積極的に推進してきた。今大会を機に、朝・日親善を密なものにしようと小田原の協会と在日本朝鮮人バスケットボール協会が合意し、マスターズとミニバスへの市民チームの参加が実現した。

小田原バスケットボール協会の前田誠会長は、「このような大規模な在日朝鮮人の大会が小田原で開かれるのは喜ばしいことであり、日本チームが出場することで参加者たちも有意義な時間を過ごせたと思う。今後もより一層交流を深めていきたい」と語った。

小田原マスターズの稲毛英則主将(46)は、「日本でこのような在日の方々の大会が行われているということを知らなかったが、今大会に参加して在日の方々について多くを知ることができた。スポーツを通した交流を続けるため、次の大会にもぜひ参加したい」と語った。

在日本朝鮮人バスケットボール協会の康勲会長は、「これからは若い年代の交流に積極的に取り組んでいきたい。日本学校とは頻繁に試合を行うが、子どもたち同士はお互いをよく知らないことも多い。子どもたちにとっても、お互いを理解し合ういい機会になると思う」と語った。

 (李永徳)

大会成績

  • 男子=①大阪、②愛知、③東京
  • 女子=①東京、②京都、③連合
  • マスターズ=①東京
  • ミニバス=①大窪
  • 男子最優秀選手=高尚範(大阪)
  • 男子優秀選手=康京允(大阪)、孫尚洛(愛知)、李延男(愛知)、金徹来(東京)
  • 女子最優秀選手=姜承済(東京)
  • 女子優秀選手=金潤雅(東京)、朴真愛(京都)、金絢菜(京都)、李寿香(連合)
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