公式アカウント

京都・南山城地域青商会が結成、次世代のために立ち上がる

2012年10月25日 12:20 主要ニュース

青商会の地域組織、114個目

京都・南山城地域青商会が結成された。青商会の地域組織として114個目となる。南山城地域青商会では今後、地域同胞青年と子どもたちを対象とした多彩なイベントを企画し、子どもたちが楽しく生活できる同胞コミュニティーの構築を目指す。また、地域で行われる各種イベントに積極的に参加し、青商会の若い力で盛り上げ、よりいっそう地域同胞社会に貢献したいと意気込んでいる。

14日に行われた結成総会の参加者たち

食事会からスタート

京都・南山城地域は5つの市、5つの町、1つの村を管轄する。地域が広いため、これまで、朝青を卒業した同胞青年たちの集まる場や地域のつながりが分散していた。青商会の結成は、同地域の長年の課題であり、難題だった。その分、結成の大きな意義を実感している同胞が少なくない。

地域同胞社会存続に対して危機感を持っていた同胞青年たちが立ち上がり、2011年5月、30代のメンバーらが集って食事会を始めた。食事会は、朝青を卒業した同胞たちが初めて顔を合わせるなど、「集える場の必要性」を互いが実感する有意義なものとなった。同年の7月と9月にも行われた食事会を通じ、同胞青年たちの失われかけていたつながりが、再構築されようとしていた。

食事会メンバーのひとり、李哲二さん(41、南山城地域青商会結成準備委員会委員長、相談役)が今年に入り、京都府の幹事として、一足早く青商会に加入した。活動が盛んな府青商会メンバーの情熱が李さんを通じて伝わり、南山城の同胞青年たちは地域青商会結成のための取り組みを本格化させた。その後、南山城の同胞青年たちは、京都府青商会の行事にも参加し、府青商会や他地域の青商会メンバーが活動にかける思いや理念、情熱に直接触れた。

しかしそれは同時に、「果たして自分たちに青商会を立ち上げることができるか」という不安も生んだ。「結成の重さ」について憂慮する声も上がり、青商会結成自体の是非があらためて議論される時期もあった。しかし、6月に行われ5回目の食事会(焼肉モイム)は、そのような不安を一気に吹き飛ばすものとなった。

決意を表明する南山城地域青商会の初代会長

受けた恩を子どもに

総聯南山城支部会館前の広場で家族同伴で行われた焼肉モイム。ちょうど、その日は総聯支部が運営する土曜児童教室が開かれていた。朝鮮学校と日本学校に通う児童など、南山城の同胞青年の子どもたちが一緒に仲良く遊んでいた。その姿を見た同胞青年たちは、みんな自分たちの子どもに見えたという。そして、「未来の子どもたちのために、何ができるか」について考え、「ここにいる南山城の子どもたちが、一つになる場を作らなくてはならない」と心に誓った。子どもたちのためにできること--。それこそが青商会の結成だった。

「子どもの頃に受けた恩を、次は私たちが子どもたちに対して返さなくてはいけないのだと気づいた」。日本学校出身で京都府学生会では会長を務め朝青南山城支部でも活躍、仕事に集中するため数年間同胞社会から遠ざかった時期があったものの、南山城地域青商会の初代会長に就任した金昌也さん(36)は、そのとき抱いた自身の気持ちをこう振り返った。

焼肉モイムを機に、地域青商会結成に向け、思いを一つにした同胞青年たちは、7月3日に結成準備委員会の予備会議を行い、同24日には結成準備委員会を構成。6回目の食事会(8月)では、青商会結成を公表した。その後、4回にわたる準備委員会、青商会会員の募集活動などが行われ、南山城地域青商会は会員数14人でスタートを切った。

南山城地域商工会の徐鐘現会長(60)によると、同地域には30年ほど前から若手商工人たちの「南城会」という組織があり、同会を退会した同胞が商工会に所属する流れが現在もポピュラーだと話す。「南城会」出身の徐会長は、「青商会結成で南山城の組織体系が強固になった。主に40代の『南城会』とともに、30代を中心とした青商会に期待している」と指摘する。

総聯南山城支部の朴道済委員長(74、非専従)は、「青商会が新たに結成されると聞き、心の底からうれしい。若者の活躍がわれわれの力になる」と地域同胞の喜びを代弁する。

結成総会後の食事会では幹事たちの紹介もあった

 「南山城を盛り上げたい」

南山城商工会事務所で14日に行われた南山城地域青商会結成総会には、青商会中央の洪萬基会長、総聯南山城支部の朴道済委員長、南山城地域商工会の徐鐘現会長、京都府青商会の鄭聖貴会長、滋賀県青商会の徐政一会長、府下青商会メンバーや南山城地域に住む同胞青年らが参加した。

洪萬基会長(43)は、南山城青商会の結成が、1万人ネットワークを目標に名簿拡大運動を展開するなど第16期運動にまい進している各地の青商会会員に大きな喜びを与えていると指摘。南山城の同胞青年が地域同胞社会と京都同胞社会を盛り上げてもらいたいと激励し、在日朝鮮人運動の新たな全盛期を共に開拓していこうと呼びかけた。

今回、南山城青商会の幹事となったメンバーは、朝青活動に精を出した世代だという。過去に朝青支部非専従委員長を務めた鄭尚樹幹事長(33)は、「『朝青時代の同志』たちと南山城青商会を盛り上げたい」と意気込む。一方、李哲二相談役は、「ひとつの組織を新たに作るのは簡単だが、継続させるのは難しい」と発破をかけた。

結成総会の終盤、南山城青商会の幹事たちは、「『チーム南山城』として、地域同胞と一緒にがんばっていこう」という総聯支部総務部長の呼びかけに大きな拍手で応えていた。地域の同胞たちは、意欲にあふれ決意を表明する金昌也初代会長の溌剌とした声を聞いて、南山城に「新たな風」が吹いたと実感したという。スーツ姿で背筋をピンと張って大きな一歩を踏もうと肩を組む同胞青年たちを、同胞たちは熱いまなざしで眺めていた。

(李東浩)

Facebook にシェア
LINEで送る