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恩師との約束/李仙香

私は「書くこと」が苦手だ。それは今も昔も変わらない。それでも、学生の頃、教員だった頃、子育ての最中―人生の折々に何かに出会ったとき、「いまこの瞬間、この気持ちを書き留めておきたい」と思うことがある。 …

脈々と受け継がれるもの/梁淑子

私が住む大阪では今「万博」がアツい。今回の万博は、一人ひとりが互いの多様性を認め、「いのち輝く未来社会のデザイン」実現を理念としているそうだ。この理念を脈々と未来へ受け継ぐために、何とも不気味な公式キ…

大運動会に行こう!/李仙香

青商会が「大運動会」を企画してるみたいだという話を聞いたのは1年くらい前だっただろうか… 京都同胞社会に笑顔と元気を、子どもたちに京都同胞社会のパワーを見せてあげたいという府青商会会長の思いがきっかけ…

“遅い春がやってきた”/梁淑子

2025年4月18日。大阪中高新校舎にて2025年度入学式が行われた。 こんなにも「春」が待ち遠しかった年はない。春の代名詞と言えば桜だが、桜の開花は本格的な春の訪れを告げてくれる。夏になると翌春に向…

母である限り/金里枝

とある温泉地での出来事だった。温まった身体で、服を着ようとロッカーに向かうと、突然の怒鳴り声が響いた。「なんでお母さんがそんなことまでやらなきゃいけないの!」と激しい剣幕で怒る母親と、泣きじゃくる5歳…

成し遂げた夫婦の目標/李仙香

この度、21年ぶりに「それぞれの四季」に寄稿することになった。 21年…あっという間だったと言いたいところだが、振り返ってみれば一日、一週間、一カ月、一年…いろんなことがあった。いや、あり過ぎた。たく…

原点、そして未来へ/朴信陽

16日に、千葉初中の卒業式が行われた。前年度に私が担任を務めたクラスの生徒たちが、愛する学び舎を巣立った。私にとって、「教え子」を送る初めての卒業式となった。

希望をもたらす存在に/姜希純

弁護士になるためには、1年間の実務修習を経る必要がある。修習では、弁護士だけでなく、裁判官や検察官の職務も経験する。私も大阪で1年間修習に取り組んできたが、それも終わりに差し掛かり、4月からはいよいよ…

感謝/趙晃來

私と妻は同じ日本の大学の寮で暮らしていた。お互いに大学時代は特に接点があったわけではなく、名前と顔が一致する程度しか知らなかった。しかし卒業後、偶然にも同じ町で暮らしていて、駅前のコンビニで再会。それ…

あふれでる「心の叫び」/朴信陽

私は中級部からウリハッキョに編入した「編入生」である。そんな私が朝鮮学校に通いたいと思ったきっかけは、神戸初中のバザーに訪れた際、朝鮮舞踊を踊る色とりどりのチマ・チョゴリ姿を見たからであった。 入学式…

祖父の思い/姜希純

司法試験を乗り越えるにあたって、私にはもう一つの原動力があった。それは、一世である祖父の存在だ。 祖父といえば「勉強」だ。読書が大好きで、新聞は隅から隅まで目を通し、入学式の度に私が持ち帰った教科書で…

トルリムチャ/趙晃來

1月29日、SNSやメールでお祝いのメッセージが届いた。朝鮮はこの日、「ソルナル」と呼ばれる旧暦のお正月であるからだ。民族伝統の祝日を迎え、ふと故郷での温かい記憶が蘇った。 私が初めて故郷を訪れたのは…

「ながた」の灯のように/朴信陽

1995年1月17日。阪神淡路大震災が起きたこの日は、多くの人にとって忘れられない、忘れてはいけない、そんな日である。 千葉初中で教壇に立って、早2年が経とうとしている。冒頭の日になれば、私は特に自分…

過去に思いをはせる/趙晃來

12月初旬、演劇やミュージカルが好きな妻の希望で、東京中高で行われたマダン劇を観に行ってきた。瀬戸内海に浮かぶ長島という小さな島にあるハンセン病患者の隔離施設「長島愛生園」に暮らすおっちゃん・秋やんと…

「ウリ」について/朴信陽

2013年の春、期待に胸を膨らませながら神戸初中の校門をくぐった。 ピカピカの中級部1年。日本学校からの編入生で、右も左も分からない私に、トンムたちが親切に接してくれた。 例えば教科書を読むとき。ウリ…

音楽の息吹/夫星琴

北アイルランドの多くのパブでは、週末になると生演奏のセッションが開かれ、音楽が人々の生活に溶け込んでいる。先日、ふと立ち寄ったベルファストのアイリッシュパブで、隣に座った常連客が「今日は少しいつもと様…

「音」を奏で日々を彩る/朴信陽

私は神戸初中・中級部から朝鮮大学校までの10年間、吹奏楽部に所属した。フルートと共に過ごした青春の日々に思いを馳せながら、あの頃を思い出したことも1度や2度ではない。しかし教員になってからは時間や場所…

大丈夫、1人ではない/朴信陽

「ウリハッキョ」。その言葉は私を時々、小6の秋へといざなう。まだ日本学校に通っていたあの頃、「ウリハッキョ」といえば、舞台上できらびやかな衣装に身を包んだ同年代の児童たち、老若男女問わず七輪を囲む同胞…