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〈渡来文化・その美と造形 42〉金石文(1):多胡碑

多胡碑は群馬県多野郡吉井町にある。711(和銅4)年になった。近くに建っている山ノ上碑(681=天武天皇10年)と金井沢碑(726=神亀3年)とを含めて上野三碑と称せられ、古代史研究上、大変大きな意味…

〈渡来文化・その美と造形 39〉書(1):渡来人経師

奈良時代(ほぼ8世紀)の日本仏教は、すべての災いから国土を守るという鎮護国家の役割が非常に大きく、東大寺を筆頭に、全国に国分寺、国分尼寺が創建され、鎮護国家の祈願が盛んに行われた。 それに伴ない仏教経…

〈渡来文化・その美と造形 38〉かまど形土器

竈形土器とは炊飯具の土器で、ドーム型の前面をくり抜いて焚き口を、天井部分をくり抜いて鍋や釜を載せる掛け口とする。5世紀ごろの竪穴住居に竈が作りつけられ始める。これは実生活上のものである。 初期(5世紀…

〈渡来文化・その美と造形 37〉深大寺・白鳳仏

日本の「白鳳時代」は、7世紀末、高句麗・百済の滅亡によって、朝鮮から技術者を含む多様な人々が大量に渡日することによって、日本文化の様相が大きく変容を遂げる時期であった。大化改新(645年)以後、奈良遷…

〈渡来文化・その美と造形 36〉墨・筆

墨は紙、筆、硯とともに「文房四宝」と呼ばれ、文房具において重要な位置を占める。 日本における「墨・紙」についての記録は、『日本書紀』推古十八年(610)条に「高句麗王が僧・曇徴、法定を貢上す.能く紙墨…

〈渡来文化・その美と造形 35〉硯(2):多様な形態

〝墨〟をすり、筆で文字を書いたり絵を描くのは朝鮮、日本、中国特有の文化である。その墨をする道具が「硯」である。 平板な石などに煤をすって〝墨〟を作る道具として始まったものが、須恵器、陶製、石製の「硯」…

〈渡来文化・その美と造形 34〉ローマングラス碗

古代、遠くペルシャの文物が数多くシルクロードを経由して中国、朝鮮にもたらされ、そしてそれらの多くは直接的には朝鮮から日本に移入された。その中に碗、皿、杯、瓶などのガラス容器がある。 日本のガラス容器は…