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ホーム » Posts tagged with » 朝鮮と日本の詩人 (Page 11)

〈朝鮮と日本の詩人 13〉大江満雄

ぼく達 雪の桑畠で鉄砲うった 朝鮮労働者とぼくが身震いしたのだ 話し合い とけ合い胸んなかをふるわす こ奴は鉄砲だ 赤城 榛名 妙義 浅間が見える 涙ってやつは感情の火薬だ 相手の男はぐいぐい歩いて行 [...]…

〈朝鮮と日本の詩人 12〉斉藤茂吉

斉藤茂吉(1882~1953)は、アララギ派の領袖伊藤左千夫に師事して歌人の道を歩んで、明治末の歌壇の転換期に自我解放を謳歌する奔放な歌風を創造した。1913年に刊行された処女歌集「赤光」は近代精神と [...]…

〈朝鮮と日本の詩人 11〉佐多稲子

朝鮮の少女達よ お前の白い上衣はこの夜更けに寒くはないか 今夜は月があまりに冴えて氷の中にいるようだ 停留場の石だたみの上にいると しんしんと冷気が爪先を打ち敲く お前たちはそこで互いに立ち寄り 空に [...]…

〈朝鮮と日本の詩人 10〉佐藤惣之助

青き大同江のほとりに立ちて 何ごとと知らず涙そそぐは いかなる旅人のならわしぞ 大同門外 数尺の月によづべくもなく 秋風しろき乙密台のあたり さんさんたる星のみかがやける まこと幼子の如くあざらけく [...]…

〈朝鮮と日本の詩人 9〉白鳥省吾

峠を越えてくる若者に遇った 八月の日は熱く 落葉松に鶯の啼く峠を 喘ぎ喘ぎ登ってくる紺の法被姿は 日本の労働者そっくりであるが 道をきいたそのアクセントに 異邦人の響きがある  …

〈朝鮮と日本の詩人 8〉中原中也

朝鮮女の服の紐 秋の風にや縒れたらん 街道を往くおりおりは 子供の手をば無理に引き 額顰めし汝が面ぞ 肌赤銅の乾物にて なにを思えるその顔ぞ -まことやわれもうらぶれし こころに呆け見いたりけん. . [...]…

〈朝鮮と日本の詩人 7〉丸山薫

「いつ頃か、姫は走っていた。姫のうしろを魔物がけんめいに追っていた。彼女は逃げながら髪に挿した櫛を抜いてほうった。櫛は魔物との間に、突兀として三角の山になった。魔物はその山の陰にかくれた。そのまま姫は [...]…

〈朝鮮と日本の詩人 6〉三好達治

望の夜の月をまちがて いにしへの百済の王が 江にのぞみ山にむかひて うたげせし高どのの名は この丘のうへにのこりて 秋されば秋の雨ふり そばの花をりしも白き 畑なかにふるき瓦を ひろはんとわがもとほり [...]…

〈朝鮮と日本の詩人 5〉高村光太郎

峯から峯へボウが響いて 大穴の飯場はもう空だ。 山と山とが迫れば谷になる。 谷のつきあたりはいつでも厖大な分水嶺の容積だ。 トンネルはまだ開かない。 二千人の朝鮮人は何処にいる。 土合、湯桧曽のかまぼ [...]…

〈朝鮮と日本の詩人 4〉室生犀星

白い高麗の香合が一つと その他には何も置いてない いまは立春に近いときで のどかな光は障子のそとに流れている その障子の外に 金網の長い鳥籠がかかり 閑寂な小鳥が止まり木をたたいている  …