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〈朝鮮歴史民俗の旅〉時調(2)

美意識と感性の違いが日本と朝鮮にあると言った。時調に限らず朝鮮人は理詰めで迫る。形よりも中身を重んじ、中身は濃厚であるほどよしとする。 これに対して日本人は、中身も大事だが、まず形にこだわり、その形に…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉シルム(1)

シルムとは日本でいう相撲のことである。その語源は諸説あるが「ヒムギョルム」がもっともそれらしい。朝鮮語で「ヒム」は力、「ギョルム」は競うことであるから、シルムの元は力くらべであったらしい。 シルムに類…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉パンソリ(2)

パンソリの歌い手は広大と言った。広大は賎民階級の出身で、パンソリの歌い手になる以前は巫女の手伝いをする傍らで、人形劇や仮面劇、その他の雑技をこなしていた。ところがパンソリが出現し大衆の人気が高まると、…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉パンソリ(1)

パンソリは朝鮮王朝後期に庶民が始めた芸能。パンは広場(舞台)、ソリは唱(歌)である。王朝時代の庶民芸能には仮面劇や人形劇もあったが、芸術性や人気度においてパンソリに勝るものはなかった。 パンソリは日本…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉タバコ(2)

有益説が一人歩きする中でタバコの害は拡大していた。 一つは火災。光海君の時代、釜山の東來倭館が、タバコの火が原因で2回も大火に見舞われた。江華島の要塞では、タバコの火の不始末で武器貯蔵庫が大爆発し多く…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉タバコ(1)

19世紀の文人・趙在三は著書「松南雑識」で次のような民話を紹介している。 「日本に淡珀姑という妓生(芸者)がいた。なかなかの美貌の持ち主で、そのうえ素直で心やさしく、多くの男どもの心を捉えていた。その…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉白衣(2)

白衣民族という言葉が、朝鮮民族の別称として定着したのはそれほど古い時代のことではない。日本植民地統治時代、多くの朝鮮人は以前にも増して白衣を身につけた。民族主義者や愛国の志士たちはもちろん、一部の親日…