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〈高麗人参余話 10〉王室外交の花形

人蔘は、ウリナラはもちろん中国医学においても重要な薬物である。この植物を自生地から採取できる地域は広い東アジアのなかでも一部に限られていたので、古くから貴重な薬物であった。 かつて、ウリナラのほぼ全域…

〈高麗人参余話 7〉自主的な民族医学

人蔘は古来より不老長寿の薬として知られている。現代の薬理研究によって人蔘の秘密が徐々に解明されつつある。 血中脂質を減少させ、動脈硬化を防止、脳の血流を促進、脳組織の代謝を改善、中枢神経の機能を調節、…

〈高麗人参余話 6〉「陰」と「陽」の宇宙観

西洋医学は病気を診断して病名を決めるが、漢方医学では病人を診て「証」を決める。漢方では「証」というものをものさしとしていて、患者の症状や体質、体格、体力などから総合的に判断し、「証」にあった薬を処方す…

〈高麗人参余話 5〉生命支える原動力

現代医学が普及する前、私たちの先祖は主に身近にある自然界の木や草の根、茎、樹皮、葉、果実、花、種子などのうち、薬効が明らかなものを用いて病気に対処してきた。これらを生薬と呼んでいる。韓国の大河ドラマ「…

〈高麗人参余話 4〉深山幽谷かきわけて

今では、山蔘(サンサム)を見つけるのは大海原に浮かぶ小舟を探すのに等しいくらい難しい。 山蔘が育つ事自体奇跡に近いことである。鳥や獣に食べられた人蔘の実が深山幽谷に落ちて芽を吹き、成長するのだが生育条…

〈高麗人参余話 3〉秦の始皇帝も捜し求めた山蔘

昔から山蔘があるところには紫色の光彩があり、空には曙光がさすと言い伝えられてきた。夜、シンマニ(山蔘を掘る人)達が山に登り光のある所を矢で印をつけ、あくる日矢の刺さっている所から山蔘を掘り出すという。…

〈高麗人参余話 2〉「蔘」は生薬の中の王の意

高麗人蔘の語源は遠く高句麗にまで遡る。当時の中国では高句麗を高麗とも呼んでいた。高麗人蔘と朝鮮人蔘は同じ意味である。 朝鮮王朝期に入ると野性の山人蔘、山蔘の需要が多くなる一方で、山蔘の収穫は少なくなり…