集英社創業85周年記念企画として、昨年より順次刊行されている「戦争×文学」シリーズ。戦争をめぐる文学作品を題材としているだけあって、アジアそして朝鮮にふれた作品も多く収録されており、いずれ本連載でも収 [...]…
文豪・谷崎潤一郎は、1918年、中国旅行のため朝鮮を経由したが、一週間足らずの朝鮮滞在について「朝鮮雑観」という小文を書いた。 はじめに到着した釜山の朝の印象は、「飽くまでも青く青く澄んで透き徹ってい [...]…
日本の近隣諸国、とりわけ中国での反日行動が連日マスコミで取り沙汰された。中国側の「理不尽」で過激な「暴動」という表象がセンセーショナルに繰り返され、それへの嘲笑と敵意そして恐怖を交えたイメージを再生産 [...]…
公開中の映画「道―白磁の人―」を見た。植民地期朝鮮の植林事業と、朝鮮芸術、とくに白磁の美の発見と保存に尽くした浅川巧を描いた本作は、江宮隆之氏の原作小説をもとにしながらも、関東大震災時朝鮮人虐殺に関す [...]…
文豪志賀直哉の唯一の長編「暗夜行路」には、植民地支配期の朝鮮、朝鮮人に関する興味深い挿話が見える。主人公の時任謙作は作中でお栄を迎えに朝鮮を訪れる。彼女はかつて祖父の妾であり、母ほども歳は離れていたが [...]…
ビフテキの付け合わせにはポテト、というのは定番の組み合わせのようだが、ではビフテキとポテトのどちらをとるかと問われたらどうだろう―「諸君は牛肉と馬鈴薯とどっちがいい?」「牛肉がいいねエ!」「しかしビフ [...]…
文豪森鴎外の「最後の一句」(1915)という作品が、朝鮮学校中級部3年生の日本語教科書に収録されている。江戸末期、太郎兵衛という男が死罪になる前日、16歳の長女いちが、弟妹と共に父の身代わりになりたい [...]…
昨年は崔承喜の生誕100周年で、朝鮮、日本各地でも行事や舞踊公演が相次いだ。これらにちなんで今回は崔承喜を絶賛した川端康成について書こうと思う。 崔承喜が東京にて第一回目の発表会を成功させた1934年 [...]…
佐藤春夫は「光の中に」について「私小説のうちに民族の悲痛な運命を存分に織り込んだ」とし、芥川賞候補になったことに「何やら非常に愉快で幸福に似たような気持でさえあった」と述べた。しかし金史良自身は、「母 [...]…
前回の記事が本紙に掲載された後、ある読者から金史良の経歴について次のような情報提供をいただいた。提供者は3年ほど前に朝鮮を訪問した際、2000年の6.15共同宣言以後に作成された人民軍関係の資料を目に [...]…