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〈朝鮮民族の美87〉書案(文机)⑦

朝鮮における木工家具の特徴は、わが国の住宅様式によって規定されると言える。比較的に部屋が小さく、また冬にそなえて温突(オンドル)房(パン)となっており、西洋や中国の椅子生活とは異なる平坐生活が基本であ…

〈朝鮮民族の美84〉海州盤 朝鮮の膳④

海州は平壌南方110キロ、開城の西方70キロの古い街。この黄海道南部一帯で作られたのが海州盤である。 海州盤は三枚の板で作られており、盤面は統営盤と同じく縁がふち取りされて、やや大型の四角のおぼんのよ…

〈朝鮮民族の美83〉羅州盤 朝鮮の膳③

これは最も一般的な羅州盤。全羅道一帯で広く使われたもの。見られるように飾り気のない、直線だけの実用的な食膳である。 盤面はやや厚めの板を、何年も乾燥させた後につかうので、後で歪みが生ずることはない。全…

〈朝鮮民族の美82〉統営盤 朝鮮の膳②

朝鮮の膳は狗足盤とか虎足盤のように、膳の脚の形で名を付けることもあるし、地方別に作られる膳の形の特徴によって名付けされることもある。例えば慶尚南道の南海の中心である統営(今は忠武市となっている)一帯で…

〈朝鮮民族の美81〉狗足盤(개달반):朝鮮の膳(소반)①

中学(旧制)を卒業して東京に進学し、学校のある渋谷区駒場の近くを散歩中、偶然入った「日本民芸館」に展示されている初めて見る白磁の壷を眺めていると「李朝白磁はお好きですか」と話しかけた婦人がいた。

〈朝鮮民族の美80〉到彼岸寺 毘盧遮那如来坐像⑫

朝鮮では8世紀の中葉から、石窟本尊が示すような降魔觸地印像と、この図の示すような智拳印像が、高麗から朝鮮朝時代に至るまでの主流となった。 また、8世紀中頃から鉄仏が作られはじめ、さらに像に銘文を持つも…

〈朝鮮民族の美79〉石窟庵 十一面観音菩薩像⑪

朝鮮の寺院で千年を超える歴史をもつのは石窟庵のみであり、他の寺院はただ寺跡が知られるだけなので、古代の寺院がどのような仏像を、どのように配置したかを知るためにも、原型の残る石窟庵は貴重である。