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〈朝鮮歴史人物〉安市城の城主・楊萬春(5)

「これで勝てるぞ。仇敵を最後まで討ち破るのだ!」 「一人も生かして帰すな!」 楊萬春の命令に従い、彼らは総攻撃に転じた。 軍士たちは、城門を押し開き、怒れる獅子のように敵軍に向かって突進していった。 …

〈朝鮮歴史人物〉安市城の城主・楊萬春(4)

城壁に高く仮設された木柵に登り、大戦闘を余裕をもって指揮していた楊萬春の目の前に唐の太宗の姿が現れた。 「こやつめ!ちょっと懲らしめてやろう…」 楊萬春は、すかさず大弓を手に取りゆるやかに弦を引いた。…

〈朝鮮歴史人物〉安市城の城主・楊萬春(3)

高句麗軍の将帥、高正義は自分の意見をこのように述べた。 「あまり急いで攻撃するのではなく、軍を整えながら、何日も置いて奇襲兵を派遣して輸送路を断ってしまえば、敵の食糧は尽きます。そうなれば、戦おうにも…

〈朝鮮歴史人物〉安市城の城主・楊萬春(2)

揚萬春は、唐の動静について知悉していたので城をさらに強固に築いた。 彼は先を見越して、城壁を補修強化し、食糧も十分に準備した。さらには、兵士たちの武術訓練に力を入れた。 城主がこれほどまで大胆無双であ…

〈朝鮮歴史人物〉安市城の城主・楊萬春(1)

揚萬春は、遠い道のりを駆け城内に到着した。 新国王を迎えた後、平壌城内は活気に満ちていた。嬰留王が廃位され、宝蔵王が新たに即位すると、揚萬春は莫離支として全ての実権を握った淵蓋蘇文から呼び出しを受けた…

〈朝鮮歴史人物〉唐を震え上がらせた淵蓋蘇文(6)

淵蓋蘇文は唐の領地深くまで侵入し、連行された蓋牟城の軍民をはじめ、数千の高句麗の人々を救出して悠々と凱旋の途についた。 唐の侵略軍は、陸・水軍100万のうち命拾いした者は僅か数千人に過ぎず、軍馬、1万…

〈朝鮮歴史人物〉唐を震え上がらせた淵蓋蘇文(5)

淵蓋蘇文は国を守る重任を担い、高句麗の人民を敵を討つ戦いへと立ち上がらせた。 彼は、自身を護国遠征隊総官に、兵部尚書、高正義を左衛大将軍(先峰将)、西部大人、乙支マンスを右衛大将に命じて後軍を任せた後…

〈朝鮮歴史人物〉唐を震え上がらせた淵蓋蘇文(4)

淵蓋蘇文は、新羅の王族で使臣として高句麗を訪れた金春秋にも自分の意志を包み隠さず話した。 「同じ建国の理念を持ち、同じ民族、同じ兄弟国として新羅、百済との和親を図り、漢族に対しては、常に警戒するところ…

〈朝鮮歴史人物〉唐を震え上がらせた淵蓋蘇文(3)

暫らくして、淵太祚も世を去った。 淵蓋蘇文はモランを呼び寄せ、妻に迎えて夢のような日々を送ったが、常に心は、国を正そうとする一つの思いで高鳴っていた。国の情勢は依然として乱れていたためである。 618…