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〈それぞれの四季〉次世代の存在が平和への信念に/ぱんちょんじゃ

2019年12月16日 09:33 コラム

吉元玉ハルモニは1998年に被害を申告、2003年より挺対協併設シェルター「ウリチプ」で暮らす。穏やかな人柄は時に被害者であることを忘れさせる。

2004年、大阪にお招きして証言を聴いたとき、打ちのめされた。13歳で工場に行くと騙され「満州」の慰安所へ。軍人に拳で殴られ、蹴られて引きずり回される日々。性病に罹って一度は帰されたものの、再び騙されて中国石家荘の慰安所に。私が愚かだったとあふれる涙で語られた。

戦後置き去りにされ、ようやくたどり着いたのは仁川だった。故郷の平安道に帰る旅費もなく、そうこうしている間に祖国は分断され、故郷への道は閉ざされた。

平和人権活動家としてEU議会や米国、日本など世界を駆けまわって日本軍の性暴力を告発し平和を訴えた。

「あなたたちは悪くない」と米軍基地村女性たちの背中を押し、国家賠償請求訴訟へと立ち上がらせた。故金福童ハルモニとともに「ナビ基金」を立ち上げ、今も苦しむベトナム被害女性や戦時性暴力被害者らを支援した。必ず解決するという揺るがぬ信念の源は水曜集会で「ハルモニ、私たちがいるよ!」と駆け寄る次世代の存在だ。

金福童という最愛の同志を失ったあと、周りの心配をよそにお元気なのは「私がしっかりしなければ」との思いからだろう。

「ハルモニ、心から愛しています!」

(大阪市在住、日本軍「慰安婦」問題・関西ネット共同代表)

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