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〈取材ノート〉考える力

41回目を迎えた「コマチュック大会」を取材していて、思ったことがある。数年前に比べて、指導者たちの「怒鳴り声」が減ったのだ。なぜだろうか。本選1部に進出したいくつかのチームを取材していくうちに、その疑問が解けていった。

多くのチームが目指していたのは「考えるサッカー」だった。戦術に選手を縛り付けるのではなく、選手たちが戦況を判断して戦い方を変えていくというものだ。このサッカーを体現するため、指導者たちは日頃から考えることを習慣化させているという。

なぜパス回しが上手くいったのか。ボールを奪うためにはどうすればいいのか。最初から質問に対する答えを提示せず、選手たちの意見を集めて答え合わせをする。この過程で選手たちの「気付き」を増やし、思考力を養っていく。

このような話を聞いて試合を観ると、確かに、選手たちが試合中やハーフタイムに議論を交わし、自分たちで問題を解決しようとする姿が見られた。

ある監督は「勝敗にはあまりこだわっていない」と語った。

「選手主導のサッカーで負けたとしても、敗戦の原因を選手同士で話し合う中で得られるものがある。試合に勝つためにはチームワークが欠かせない。そのことを選手自ら実感できれば、さらに成長できるはず」

伸びしろを残す育成年代の選手たちだからこそ、可能性を信じ、時には静かに見守ることも大切ではないだろうか。

(徳)