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〈取材ノート〉要請からみえた欠陥

「差別しないでください。同じ日本社会に生きる子どもです」

「制度上対象外です」

見慣れてしまった光景、噛み合わないやり取り、予想できてしまう回答。社会的マイノリティとして生きることを自覚する現場が続いている。

幼保無償化制度がはじまり、1ヵ月が経過した。最近は何をしていても冒頭に書いたオモニたちの言葉が頭に浮かぶ。子どもを連れ国会へ、文科省へ、厚労省へ、自治体へ。高校無償化のときもそう、要請が日常になっている。この間、幼保無償化を求める同胞たちの闘争の場には、極力編集局から記者が出向くように努めてきた。

それは、要請を重ねるたびに蓄積される保護者たちのストレスが、同じように筆者にとっても重く共感できるものであったから。看過できないという思い、同胞メディアをうたう記者たちこそが寄り添うべき問題であるからだ。

ある日の要請の帰り、文科省庁舎を後にしようとすると、保育士に連れられた園児たちに出くわした。名札には保育所の名前が書かれており、後日調べると無償化対象になる保育所の園児たちだった。

無邪気に笑うその子たちの真横で、要請会場をあとにした担当職員を追いかけ、「どうか私たちの子どもも無償化対象に含めてください」と訴えかける保護者の姿に、今回の制度だけでないこの社会の欠陥をみた。(賢)