Facebook

SNSで共有

朝米首脳の初会談から1年

金正恩委員長とトランプ大統領がシンガポールで行われた初の首脳会談で新たな朝米関係の樹立と朝鮮半島の平和体制構築について議論し共同声明に署名してから1年が経った。春夏秋冬

▼「相互の信頼醸成によって非核化を促進できる」と明記された共同声明に朝鮮の一方的核武装解除を求める文言はない。ところが朝鮮敵視の慣習にとらわれた米政府内の強硬派は首脳合意に反して「先に核放棄」の要求を朝鮮に突きつけ、共同声明履行にブレーキをかけた。閣僚と官僚が仕掛ける妨害工作はハノイで極まり、2回目の首脳会談は合意なく終わった。それを「朝鮮に安易な妥協をしなかった」と自画自賛し、非核化交渉の中断がまるで「歓迎すべきこと」であるかのように世論をミスリードした。

▼共同声明に署名した金正恩委員長はテレビカメラの前で「これから世界はおそらく重大な変化を目撃するであろう」と述べた。米国が共同声明履行に真摯に取り組んでいれば、委員長の予言は現実のものとなったはずだ。朝米だけでなく朝鮮半島と東北アジアにおける対立の解消が進んだ。

▼初会談から1年。朝鮮は「両首脳が署名した共同声明を大切にして今後もその履行に忠実であろうとする立場と意志に変わりはない」(外務省代弁人)と明言した。首脳合意が実現しない原因は米側にある。いま求められているのは反対勢力の抵抗を抑え込み、朝鮮と共に非核化の第一歩を踏む出す大統領の決断だ。(永)