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〈それぞれの四季〉頭を巡らせているもの/崔美澪

2019年03月29日 10:12 コラム

先日、東京中高で東日本地方の朝鮮学校教員たちによる教育研究集会が行われた。この研究集会は、教員それぞれが生徒に授業を行ううえで感じた疑問や意見などを共有し、これからの課題を共に確認し刺激を受ける場と感じている。

昨今、教育現場にいる私たちにとって、「教員の資質」向上は重要なテーマの一つである。

しかし、「教員の資質」とは何を見て判断されるものだろうか。

生徒たちの学習意欲を掻き立て、彼彼女らが良い成績をとることができたらなのか。はたまた、生徒たちが参加する諸々の大会で、好成績を出すことができたらなのか…。

ウリハッキョに通う生徒たちの家庭環境が多様化するように、ハッキョに求められるものもまた、多様化しているように感じる。そんな中、筆者をはじめ教員たちは、どんなときも、目の前にいるかけがえのない生徒たちの1分1秒を大切にしようと、「この子たちのために何ができるだろうか」と頭を巡らせている。

今年に入り、尊敬する先生方がこの世を去られた。70余年に及ぶ民族教育を守り発展させる中で、欠かせない方たちだった。朝鮮学校が今もこうして存在し、目の前にいる生徒たちのために、「教員の資質」を向上することに切磋琢磨できるのも、そのような先人たちがいたからだということを、胸に刻みたい。

(札幌市在住、教員)

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