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〈みんなの健康Q&A〉脂肪肝(中)/症状

2019年01月11日 10:41 コラム

症状が出る前に調べるべき/肥満、糖尿病、肝臓病、痩せたが典型

Q 前回は、飲酒と関係のない脂肪肝(NAFLD;ナッフルディー)の人口が日本国内だけで2千万人、そのうち重症化する恐れのある非アルコール性脂肪肝炎(NASH;ナッシュ)が重要とのことでした。NASHには特徴的な症状がありますか?

A 症状は病気のために生じる肉体的な不具合で、患者さんには辛いことも多いので重要です。しかし、NAFLD/NASHは、普通は症状がありません。この点は以前お伝えした、ウイルス性慢性肝炎と全く同じです。症状はもっぱら肝硬変に進行した場合や肝細胞癌を合併した時に生じます。肝硬変の途中からは、尿の色が濃い(茶色)、眼球の白い部分が黄色い、皮膚が黄色いなど、目で見てわかる黄疸に関連する症状があります。それ以外の自覚症状とし、進行した肝硬変では筋肉量が減るため仕事や歩行の際に疲れやすい、肝臓で作るアルブミンというタンパク質が血液中で低下するため、膝から足の甲にかけてむくみが生じる、腹水のためお腹が張る、食欲が低下し全体に痩せてしまうなど、多彩です。しかしこれらはNASHによる肝硬変に固有の症状ではありません。肝硬変はその原因に関わらず、全ての慢性肝疾患の終着点です。

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