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同胞社会明るく照らす人材に/公益財団法人「在日朝鮮学生支援会」都内で奨学金伝達式

2018年11月29日 16:35 主要ニュース

奨学金伝達式が都内で行われた(写真は「在日同胞信用組合奨学金」伝達式のようす)

公益財団法人「在日朝鮮学生支援会」による今期奨学金対象者への奨学金伝達式が11月26日に都内で行われた。支援会の朴京子代表理事をはじめとした理事たちと、奨学金対象者の朝大生ら19人が参加した。

各種奨学制度の恩恵を受けることができず、財政的理由により学業を継続することが困難な学生を少しでも支援しようという目的で2011年に設立された支援会では、翌12年に公益財団法人の認定を受けて以降、在日朝鮮学生への支援を積極的に行ってきた。朝鮮学校に対する高校無償化制度からの除外や、各自治体による補助金の削減、停止などにより同胞家庭の経済的負担が増える中で、支援会の役割は近年、より重要なものとなっている。

支援会では今期、各地の高校、大学、大学院に通う在日朝鮮生徒・学生44人に対して、総額912万円を支給。今期分も含め、11年の創立以来8年間で325人に対して計6672万円を支援した。

この日、伝達式に参加した学生たちは、支援会に対する感謝を口々に述べながら、より一層勉強に励む決意を新たにした。

支援会では今後も奨学事業を中心に、国際交流助成事業、トップアスリート・トップアーティスト育成助成事業などの分野で、在日朝鮮学生に対する支援を積極的に行っていく。

新設された冠奨学金「在日同胞信用組合奨学金」

今年度から支援会では新たな冠奨学金制度「在日同胞信用組合奨学金」を設立した。支援会では多方面的に学生を支援するため、2016年に冠奨学金制度「金剛保険奨学金」を設立。「在日朝鮮学生の教育の発展に貢献した人の遺児で、成績が優秀であるにもかかわらず経済的に困難な学生」が対象で、今年も大学生に奨学金を支給した。「在日同胞信用組合奨学金」はそれに次ぐ二つ目の冠奨学金制度となる。

同奨学金は「在日同胞の経済活動の一助となる高い志を有する在日朝鮮人大学生で学業成績が優秀でありながら経済的支援を必要とする者」を支援する目的で設立された。各地7つの信用組合(ウリ信用組合、ハナ信用組合、イオ信用組合、京滋信用組合、ミレ信用組合、兵庫ひまわり信用組合、朝銀西信用組合)が全面的にバックアップしている。初年度となる2018年度は12人が対象者となった。

26日に、支援会の奨学金伝達式とともに行われた「在日同胞信用組合奨学金」伝達式には、朴京子代表理事と各信用組合の役員たち、9人の奨学金対象者たちが参加した。

式ではウリ信用組合の琴正煥副理事長が奨学金の趣旨について言及し、学生たちを激励した後、信用組合役員たちが奨学金を伝達した。

奨学金を受け取った女子学生(朝大経営学部3年)は「アルバイトなどで勉強の時間が十分に確保できないことがあったが、この奨学金のおかげでより勉強に集中できる。感謝の気持ちでいっぱいだ」としながら、「大学卒業後、同胞たちの経済活動に貢献できる人材になって期待に応えたい」と決意を語った。

税理士の資格を取るために勉強に励んでいるという朝大経営学部2年の男子学生は奨学金が「国家資格の取得を目指して困難も多い中、大きな励みになる」と述べ「資格取得だけではなく他の勉強や大学生活にも一生懸命取り組みたい」と力を込めた。

支援会の朴京子代表理事はすべての奨学金対象学生たちに対し「未来に対する希望を胸に勉学に励み、同胞社会を明るく照らす素晴らしい人材に育ってほしい」と期待を込めた。

(丁用根)

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