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〈取材ノート〉「#With You」

取材ノート米・ハリウッド女優の性暴力被害の告発に端を発した「#Me too(私も同じ)」運動が広がりを見せている。SNS上には「#Me too」のハッシュタグをつけた告発が続き、権力者の加害の実態が明るみに出た。

抑圧され、沈黙を強いられた声が大きなうねりを起こす中、約30年も前に、国家による性暴力被害を告発した勇気ある女性たちを想起する。

2月25日、在日の日本軍性奴隷制被害者、故・宋神道さんのお別れ会が開かれた。「オレのようなおなごを作るな」と戦争に反対し、「針のむしろに立つ思いで裁判をかけた。意味の取れることをしなければ、死んでも死にきれねぇ」と日本政府の謝罪・賠償を求め10年間の裁判を闘った。

生前、切れのいい東北弁で、物事の芯を突き、度々周囲を驚かせた宋さんだったが、最期まで語ることができなかったのが、日本軍による最初の暴行の記憶だった。

数え16で連行され、戦地で7年、日本で72年。壮絶な人生を支えたのは、痛みに共感し、共闘した支援者であり、交流の日々は、蔑まれ、差別された宋さんの「回復」の日々だった。

宋さんは生前「無縁仏になるかもしれない」と心細さを吐露していたというが、会には、その遺志を継ぐ160人が集った。その光景は、被害者がこの世を去り、歴史の歪曲が進む中でも、連帯が確実に広がっていることを示していた。

政府があるべき解決を行うその日まで、勇気ある告発への「#With you(共にする)」の声は繋がっていく。

(宥)