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京都・ウトロ地区に市営住宅整備/在日同胞ら入居開始

2018年01月23日 14:56 主要ニュース

土地問題乗り越え、新たな歴史刻む

60世帯、約150人の在日同胞が暮らす京都府宇治市伊勢田町のウトロ地区で、16日から、新たに整備された市営住宅第1期棟への入居が始まった。15日には、第1期棟に入居する40世帯の同胞たちを対象に入居説明会と「鍵渡し」が行われた。

長い闘いの末

新たに建設された市営住宅第1期棟。周りには、昔の家々が残っている。

昨年末に完成した市営住宅第1期棟は、鉄筋コンクリート造り5階建ての建物。2DKが20戸、3DKが20戸の計40世帯分となっており、今後は、残る20世帯向けの2期棟の整備と並行し、下水道や排水施設、道路の整備も進められる。

ウトロには、第2次世界大戦中、日本の侵略戦争遂行のため京都飛行場建設に動員された同胞たちやその子孫らが暮らしてきた。戦後、政府や企業からの補償もないままに、貧しい生活を余儀なくされた住民らに突き付けられたのは、住み慣れた土地からの「立ち退き」だった。

戦後、ウトロの土地所有者であった「日産車体」は、住民に無許可で「西日本殖産」へ土地を転売。同社は、土地の明け渡しを求め、京都地裁に提訴。最高裁は2000年、住民の立ち退きを命じた。

度重なる強制立ち退きの不安の中、住民たちは、ウトロを守るために結束、抗議活動を繰り広げるとともに、「ウトロ問題」を内外に発信し続けた。支援の輪は日本市民や各地の同胞、総聯組織、南の市民たちへと広がりを見せ、2007年10月には、ウトロと「西日本殖産」との間で土地の売買契約が締結された。同年12月には国土交通省・京都府・宇治市が「ウトロ地区住環境改善検討協議会」を立ち上げる運びとなり、今回、ウトロの住環境改善事業の一環として、市営住宅への入居が始まった。

新生活のはじまり

15日夜、入居説明会のため、府立城南勤労者福祉会館(宇治市伊勢田町)を訪れた同胞たち。新たな住居の鍵が渡されると、その顔には安堵の表情が浮かんだ。

府立城南勤労者福祉会館で行われた入居説明会と鍵渡し(15日)

「生きている間に

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