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〈高演義先生の情熱教室〉「有終の美」を飾るとは?

2017年11月29日 13:59 主要ニュース 朝鮮半島

若干言い残したこと、書き残したこと

「あんたは文章書きすぎだから、少々休んでみなはれ」「露出しすぎ」とカミさんから言われたのは、1ヵ月ほど前だったろうか。断筆命令である。トホホ。

世間の女房というのは「あなた、同胞社会のためにもっとがんばってね」と愛らしくささやいてくれるのが普通でなかったっけ?

何度か申しましたが、わが家は人口2名なのであります。ですから、この「命令」には存在の半分、50%の重みが込められているのです。

で、私はカミさんの命令に従うべく「断筆」を試みたのでありました。

こういうことです。

私にペンを握らせないためには、何はともあれ物を考えさせないことです。若い頃から、いいか悪いか知らないけれど、物事を深く考えようとする癖がついてしまった。それも、とことん追い詰めるタイプ。そして、考えてしまうと、私って、すぐさま文章にしてしまうというどうしようもない癖がまたあるのです。しつこい人間なのです。一つのことを考えると夜も眠らないで考え込んでしまうのです。

ひとたび気になると、それを考えないで済ますということが出来ず、徹底的に追究してしまう。

祖国朝鮮訪問時、元山の川べりの樹木について現地の人に尋ねると「朝鮮戦争後に植えた木です」との返事。そして数年後再びそこへ訪れ全く同一の風景を眺めたが、かつて目にした樹木たちが、なんと、高く伸びやかにすっくと育っているではないか。

それからだ。私は祖国訪問のたびに、平壌の街を歩いていて木1本、道路のレンガ1個を無心に見過ごせなくなったのです。そこには人民の血と汗のにじむ長い歴史が滲みているのだと考えると観光客のような浮かれた気分になれない。

若い頃異性に恋をしたときもそうだった。この人だと一旦思い込んだが最後、もうほかには目がいかない。とことん追い求めるタイプなのです。

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