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在日コリアン女性美術展「パラムピッ」/11年ぶりに開催

“女性主体で高めあう場”

第7回在日コリアン女性美術展「パラムピッ」が東京・品川区民ギャラリーで4日から8日まで開催された。

油彩・朝鮮画(水墨)・水彩・韓紙工芸・漆工芸・版画・デザイン・イラスト・陶磁器など47点の作品が展示されている。

美術を志す同胞女性愛好家らが、創作を通して共に成長しあう場として開催されてきた同展。第7回となる今年、会場には関東近郊に住む20代から70代までの19人による油彩・朝鮮画(水墨)・水彩・韓紙工芸・漆工芸・版画・デザイン・イラスト・陶磁器など47点の作品が展示された。2006年の第6回展より、11年ぶりの開催となった。

開催に先立ち、レセプションパーティーが3日、関係者らによって行われた。

この日あいさつをした事務局長の金聖蘭さん(東京第5初中・美術教員)は、「第6回展以降、家事や子育て、仕事など目まぐるしく過ぎていく日常生活の中で、創作活動がどんどん遠ざかっていった」としながら「女性たちが主体となり互いを高めあえるこの場をもう一度復活させたいとの思いから、1年前、会員たちに声をかけ今日の開催に至った」と久しぶりに会う懐かしい顔ぶれに笑みを浮かべた。

「何を描くか考える前に世界堂に行き、額縁を買いました」と話し、会場の笑いを誘ったのは事務局メンバーの一人で、今回桜の木の下に立つ娘の姿を描いた油彩を出展した金蓉子さん。

金さんは「大学を卒業した娘が帰ってきたと思えば、息子が大学へ入学し今春は我が家が一番忙しい時期だった。筆が進まずもう描けないのではと思いながら10年ぶりに創作と向き合うことで、改めて絵を描いていくことを決意するきっかけになった」と感想を述べた。

「脳梗塞を患いリハビリのつもりで描いた」と話すのは、今回初めて朝鮮画を出展したという朴順香さん。同じく同美術展に作品を出展した娘の金明仙さん(千葉初中教員)など、周囲の皆に励まされてやりきることができたとしながら、「若い人の中に混ざり初めて参加したこの場に、最初は戸惑いもあったが無事に出展できた。これから先も頑張って描きたいと思う」と話した。

張留美さん(東京第3初級教員)が手がけた版画「ぼくは一年生」は、ランドセルを背負い笑顔をみせる一人の児童のまわりを花が包んでいる作品だ。張さんは、この作品で子どものまわりに花をならべたのは、「同胞や保護者たちの学校にむける温かい視線、ハッキョを守っている人々の心を、自身のわが子に抱く愛しさと重ねながら表現しようと思ったから」だとしながら「自分の基盤となっているこの美術展で、ウリハッキョに通ってこそ朝鮮人としてたくましく育つ、そんな子どもの一瞬一瞬を目にする母の思いを残したいと思った。この経験を糧に、今後創作活動に力を注いでいきたい」と思いを伝えた。

東京在住の頃にパラムピッに参加し、6回展まで出品した岡山在住の河和恵さんは、「在日朝鮮人として、女性として生きている、幅広い世代の在日コリアン女性の作品が集う『パラムピッ』は、私にとって一人一人の女性作家の人生、思いの一端をかいま見せてもらえる、とてもありがたい空間であった」とし、「今回、11年ぶりの開催にあたって、この11年間という時間の流れと生活を通して、より慈しみ、柔らかさ、強さ、深みが増した、女性作家たちそれぞれの作品の成長に感心し、共感し、そして新たな人生に一歩踏み出すエネルギーをもらった」と感想を寄せた。期間中、会場には延べ300人が足を運んだ。

 (韓賢珠、李鳳仁)

日時・場所・アクセス

  • 日時:5月4日~8日まで。10時~20時(最終日は17時まで)
  • 場所:品川区民ギャラリー(JR、東急大井町線、東京臨海高速鉄道りんかい線「大井町」駅徒歩2分)。無料。