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セウォル号引き揚げ/真相究明本格化

明るみに出た政府の隠蔽工作

南朝鮮南西部珍道沖で沈没し、修学旅行中の高校生ら304人の犠牲を生んだセウォル号の陸揚げ作業が11日に完了した。2014年4月16日の沈没から1091日目のことだった。引き揚げを機に、行方不明者の収拾と真相究明作業が加速化している。

真相究明を求める世論

セウォル号事件3周忌を1日前に控えた15日。光化門前広場では「第22回汎国民行動の日」本集会が行われ、約10万人がキャンドルを掲げた。また檀園高校の生徒・教師などセウォル号惨事の最大被害地域である京畿道安山市では16日、「セウォル号惨事から3年、記憶式」が行われた。セウォル号3周忌を迎え、南朝鮮の91の地域、海外11ヶ国40の都市でも追悼行事が催された。追悼行事の参加者たちが求めたのは、セウォル号事件の真相調査と責任者処罰、徹底した朴槿恵に対する捜査と処罰、共犯者逮捕・積弊の清算だ。

引き揚げられたセウォル号の船体(連合ニュース)

3年ぶりに姿を現したセウォル号を目の当たりにした人々は、赤黒くさび付いた船体を見て、衝撃を受けた。沈没から救助失敗、3年に渡り進展がなかった引き揚げ作業がやっと完了したことを契機に、沈没の原因から長きにわたった引き揚げ過程、政府対応など真相究明を求める世論が高まっている。

沈没の原因については、これまで無理な船体改造と過積載、操舵未熟が重なり沈没したと、捜査と裁判を通じて説明されてきた。しかし、一部の学者によるレーダー映像分析資料公開などにより、衝突説も提起される中で、これからの船体調査による真実の解明が求められている。また、海洋水産部はこれまで、セウォル号引き揚げ作業の遅れについて、引き揚げ方式の決定と作業環境の厳しさが原因であると説明してきたが、引き揚げの過程で船尾左側のランプを除去し不要な穿孔をあけるなど、真実を明らかにできる主要な証拠物を毀損した事実も発覚するなど、セウォル号引き揚げについて協力的ではなかった政府の姿勢が露呈している。

政府の責任追及

事故後の政府の対応不備とその責任問題も問いただされなければならない重大な問題の一つだ。現場に出動した木浦海洋警察123艇班長ひとりが懲役3年の刑を受けたのみで、大統領府と政府、海洋警察トップの責任は何一つ明らかにされず、断罪もされていない。権力層が自らの責任を覆い隠すため、組織的に真相究明を妨害した疑いがある。

朴槿恵の弾劾裁判では、憲法裁判所のキム・イス、李・ジンソン裁判官がA4用紙17枚分量の補充意見を通して、セウォル号惨事当日の朴槿恵の対応不備を指摘した。裁判官は、朴前大統領がこれまで、事故発生の報告を14年4月16日午前10時に受け、マスコミの誤報などのため、午後3時になり、ようやく状況の深刻さを悟ったと主張してきたことに対し、セウォル号事故が最初に通報された時刻が午前8時52分であり、政府が早く深刻さを認知し、救助指示を出していたなら多くの人命を救助できる可能性があったと指摘した。また朴槿恵が事件当日執務室に正常に出勤せず、事故をもっと早く把握できた「決定的な瞬間」を逃したことも指摘。朴槿恵の危機対処能力に対しても、「午前10時に状況を認知したのであれば、その時点で、災難に関するすべての情報が収集される主要関係機関と直接連絡できる大統領府状況室に行き、リアルタイムで現況を報告させ、指示を出すべきであった」と主張するなど、朴槿恵の事故当日の不誠実な態度を指摘している。

惨事の真相究明と責任者処罰を求める市民集会(統一ニュース)

朴槿恵の「空白の7時間」とともに明らかにされなければならないのは、真相究明の隠蔽・妨害行為の顛末および、その責任者処罰だ。禹柄宇元大統領府民政首席秘書官は民政秘書官だった2014年6月、検察のセウォル号事件の捜査と関連し、海洋警察本庁を家宅捜索していた光州地検の捜査チームに直接電話をかけ、圧力を行使した事実が確認されている。また李・ジョンヒョン元広報主席秘書官が海警の責任を問うKBSの報道に対し、「海警を批判するな」と注文するなど報道への介入もすでに明らかになっており、それらの妨害行為に対する責任者処罰の声も高まっている。

3月21日には「セウォル号船体調査委員会の設置と運営に関する特別法」が施行されたが、これは、船体調査を目的にしたもので、必要があれば、検察に告発し、操作も要請できるが、その活動範囲は制限がある。朴槿恵とその側近たちの対応不備の責任と真相究明への妨害・隠ぺい行為に対する別途の捜査を進めることこそが、セウォル号事件の総体的真実を明らかにする唯一の道となっている。