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〈それぞれの四季〉冬から春へ/李イスル

2016年12月09日 14:22 コラム

明るくない時代に在日朝鮮人として青年期を過ごしていると思う。私たちを取り巻く情勢はかつてないほど厳しく、それゆえ在日朝鮮人が離散し、同胞社会が疲弊しているのを感じる。

いま南朝鮮では、朴槿恵の退陣を求める民衆の声が日増しに大きくなっている。誠実に生きることを踏みにじられた人々の怒りと悲しみが、凍てつく寒さの中、100万人以上の民衆を街頭へと押し出した。熾烈なデモを通じて民主化を達成した経験が、老若を問わず人々の中に生きていることを痛感した。そうしてかれらが勝ち取った大統領の辞意表明は、私が物心ついて初めて目にする民衆の勝利だった。

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