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金剛山歌劇団長崎公演/7年ぶりに開催、日本市民が全面サポート

2016年11月10日 17:31 文化・歴史

朝・日友好親善に拍車

金剛山歌劇団長崎公演

金剛山歌劇団長崎公演

金剛山歌劇団長崎公演(主催=同実行委)が7日、長崎市民会館で行われた。長崎県本部の金鐘大委員長、実行委員長の高實康稔・長崎大学名誉教授(岡まさはる記念長崎平和資料館理事長、長崎在日朝鮮人の人権を守る会代表)、長崎県議、長崎市議をはじめ同胞、日本市民ら300余人が観覧した。

長崎市では2009年、友好的な日本団体のメンバーによる実行委の尽力のもとで9年ぶりに歌劇団公演が行われた。当時の反響は大きく、その後も公演開催の機会を模索してきた。

凄惨な被爆体験から「核」問題に対して敏感な長崎では、一方で地理的に近い朝鮮半島の平和と安定を望む日本市民が少なくない。

「長崎県被爆者手帳友の会」の井原東洋一会長(80、副実行委員長)は「原爆被害者たちはいかなる形の核使用にも反対している」と述べつつ、「朝鮮が核兵器を保有している国際社会の現状をしっかり認識すべきだ。諸悪の根源は、朝鮮に対して核戦争の矛先を向けている米国にある。最近の『核兵器禁止条約』決議で朝鮮が賛成、米国が反対の姿勢を示した構図を見れば、問題の本質がどこにあるのか一目瞭然だ」と指摘する。

良心的な日本市民が金剛山歌劇団長崎公演を全面サポート

良心的な日本市民が金剛山歌劇団長崎公演を全面サポート

2013年、総聯本部と前回の歌劇団公演実行委を中心とした日本市民たちは日朝友好協会(仮称)の発足へと動き出す。以降、総聯本部主催の新春講演会に合わせて朝鮮問題に関する学習会を開くなど活動を重ね、今年4月末に日朝友好協会の準備委員会を発足。市民レベルでの理解と認識を深めるために7年ぶりとなる歌劇団公演の開催が決定した。

総聯本部の金鐘大委員長を除いて日本市民らで構成された実行委には、女性と連帯する長崎女性の会、長崎在日朝鮮人の人権を守る会、部落解放同盟、自主・平和・民主のための広範な国民連合長崎、長崎地区労、社民党、県平和運動センターなどの有志及び訪朝経験者などが名を連ねた。

公演に先立ちあいさつを述べた高實康稔実行委員長(77)は「日朝関係は政治経済的に冷え込み、相互不信の最中にあるが、平壌宣言の精神に則って友好親善を培い国交正常化につなげたい。日本政府による朝鮮敵視政策、朝鮮学校に対する排外主義政策がまかり通っている社会の状況を打開しないといけない」と語った。

華やかな舞台に大きな拍手が送られた

華やかな舞台に大きな拍手が送られた

「躍動感にあふれ、バラエティーに富んだ舞台に強く惹かれた」。

そう話すのは2000年、09年、今年と3度の歌劇団公演を観覧したという秀島紀子さん(80)。演目は時代のニーズに沿って変化しているが、「変わらない朝鮮文化の崇高な香り、統一を願う気持ちに毎回感銘を受けている」。

歌劇団公演に初めて足を運んだ木村幸弘さん(75)は、第2次世界大戦の敗戦後、滞在していた咸鏡北道清津市で鉱山開発に従事していた父を亡くしたという。2012年に長年の願いであった墓参が実現した。

「朝鮮政府の関係者たちは現地での墓参を誠心誠意サポートをしてくれた。本当に感謝している。多くの日本人にとって、歌劇団公演が朝鮮の真実の姿を知るきっかけになってくれば」。木村さんは公演会場でDVDを購入。「祖国を思い、異国の地で民族心を受け継いでいこうとしている歌劇団の熱い思いを、これからも目に焼きつけたい」と微笑んだ。

歌劇団公演の開催は日朝友好協会の立ち上げに拍車をかける機会となった。実行委の坂本浩事務局長(57、長崎県議)によると、協会の活動としては訪朝団の派遣、学習会の開催、朝鮮で死亡した日本人の遺骨収集や墓参を目指す「清津会」との連携強化などを念頭に置いているという。

(李永徳)

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