「今回の弾道弾水中発射は周辺諸国の安全にいかなる否定的影響も与えることなく成功裏に行われた」—朝鮮中央通信の一節だ。
▼朝鮮の戦略潜水艦弾道弾(SLBM)試験発射は、「高角発射」によって行われた。通常より高角度で発射することで飛距離を調整する。6月の中長距離弾道ロケット「火星10」の試験発射も同じ方法が用いられた。高度は1,413.6㎞に達し、400㎞前方に着弾した。通常角度ならグァム島を優に越える。今回のSLBMは500㎞飛行したが、実際の射程距離はそれより長い。
▼「高角発射」は非常に高度な技術だ。「火星10」試験発射が失敗を繰り返したのも、そのためだろう。朝鮮は敢えて自らのハードルを上げた。「周辺諸国の安全に否定的影響を与えない」ためだ。
▼米国は、一連の試験発射が国際社会に「脅威」を与える「挑発行為」だと強弁するが、他国の領空・領海への侵入はなく、実害もない。朝鮮の核戦争抑止力強化に「脅威」を感じる国があるとすれば、それは自らが朝鮮敵視と軍事挑発を続けていることに由来する。
▼国連安保理は「弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射も禁ずる」という「決議」に「違反」したとして、人工衛星打ち上げを制裁対象にしたが、最近の弾道弾発射は非難声明どまりで「追加制裁」の対象になっていない。朝鮮の自衛的行動に対する理事国の足並みが乱れ始めた。朝鮮の「高角発射」は、核・ミサイルに関する米国の不当な二重基準を揺るがしている。(永)