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〈補助金問題の現在地~3.29通知を受けて~ 5〉弾圧のたびに強まる朝・日の連帯/大阪

2016年07月08日 09:08 民族教育

補助金裁判、今年中にも判決

2011年度以降、大阪府内の朝鮮学校に対する府と市の補助金支給額は0円。不支給処分を受け、府内の朝鮮学校を運営する大阪朝鮮学園は2012年9月20日、補助金不交付処分取り消しを要求して府と市を提訴した。朝鮮学校の「高校無償化」からの除外をめぐる裁判は各地で行われているが、補助金裁判は大阪だけ。裁判は第1回口頭弁論(11月15日)から始まり、今年4月に原告・被告側の証人尋問が行われ、8月9日に最終弁論を予定。判決は9~10月頃の見込みだ。弁護団は現在、尋問調書などをもとに最終準備書面を作成している。今回は補助金裁判と、その支援活動をはじめとする周りの動きを振り返る。

億から「0」

大阪府の補助金は1974年の設備補助金から始まっているが、「私立学校外国人学校振興補助金」は1992年に新設された。

府は89年度(2800万円)以降、朝鮮学校への助成を毎年大幅に増額してきた。1995年度には約2億以上が支給されている。日本の私立高校の3分の1に満たないが、朝鮮学校に対するものとしては全国的にトップレベルの支給額だっだ。さらに95年には今後の増額を見越して補助の対象を教育研究費から、使途を限定しない経常費に変更する措置も講じている。

本紙(1996年7月30日付)のインタビューで、当時、府生活文化部私学課長の山登敏男さんは、「同世代の子どもたちが学んでいる点に注目し助成を行うことにした」「保護者の負担をどう減らすかという問題は平等に考えるべきである」と支給根拠について述べている。

しかし2010年3月、この状況は大きく転換した。「北朝鮮は暴力団と同じ」などと発言した橋下徹大阪府知事(当時)が大阪朝高、生野初級を視察。そのとき①日本の学習指導要領に準じた教育活動を行う、②学校の財政状況を一般公開する、③特定の政治団体と一線を画す、④特定の政治指導者の肖像画を教室から外すという「4要件」を唐突に提示。これをクリアしなければ、補助金を支給しない方針を表明した。これに対し、大阪朝鮮学園は2011年3月8日、回答書を府知事に提出。府は23日、初中級学校には2010年度の補助金支給をしたが、教室の肖像画を外さなかった高級学校に補助金を支給しないと決定した。

翌3月にも学園が補助金交付を申請し、大阪府議会教育常任委員会が生野初級を視察するが、一部議員が職員室からの肖像画撤去などの主張があった。

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