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感謝、そして新しい「Stage」へ/京都朝鮮歌舞団50周年特別企画公演

2016年07月17日 09:53 主要ニュース 文化・歴史
朝鮮民謡に合わせて老若男女の観客たちによる踊りの輪が広がった

朝鮮民謡に合わせて老若男女の観客たちによる踊りの輪が広がった

京都朝鮮歌舞団50周年特別企画公演「Stage~今私たちが立っている場所」が15日、京都府立府民ホールALTIで行われた。総聯京都府本部の金尚一委員長をはじめとした府内外の同胞、日本市民ら約400人が観覧した。

府内の芸術愛好青年たちによって結成された「ポドゥナムサークル」(61年)は65年9月5日に在日本朝鮮人京都文宣団となり、68年に「京都朝鮮歌舞団」に改称された。

姜侑里団長(35)は「50年間、たくさんの人々が歌舞団を支えてきてくれたからこそ、今私たちがこうして素晴らしいStageに立つことができる。今の立ち位置はゴールではなく、次へのStageへと歩んでいく通過点だ」と話す。団員たちは、古き良きものを大切にし、同胞や時代のニーズに沿って「在日」が育んできた芸術文化は、新たな可能性を見出せると信じているという。

そんなメッセージが込められた公演には京都歌舞団のほか、スペシャルゲストとして京都中高出身である金剛山歌劇団の宋栄淑団員(37期、朝鮮民主主義人民共和国功勲俳優)、ソウル教坊の成愛順さん(37期、国家重要無形文化財第27号 僧舞 履修者)、舞台俳優の姜愛淑さん(40期)が出演。また歌舞団5代目団長の具用九さん(64)、金剛山歌劇団の河栄守、劉正一団員(3人とも功勲俳優)ら計12人が舞台に立った。

1部で3重唱「運命の手(운명의 손길)」を歌い上げた姜侑里団長、呉明姫団員(28)、朴玉希団員(24)はそれぞれ独唱を披露し、今回の公演のために作詞、作曲を手がけた新曲「Stage」で胸の内に秘めた思いを紡いだ。

団員たちは新曲「Stage」で胸の内に秘めた思いを紡いだ

団員たちは新曲「Stage」で胸の内に秘めた思いを紡いだ

〝さあ、見てごらん/みんなの顔が見えるでしょう?/背中を押してくれる暖かい気持ち/大丈夫/みんなの力を信じて/新しい扉はみんなの手で切り開くの〟

デュエット「ハナ」で幕を閉じた1部に続き、2部では姜愛淑さん扮する「ハルモ二」と出演者によるウイットに富んだ会話や、カヤグム併唱「西道アリラン」、カヤグムとコムンゴの5重奏「出鋼」、小鼓舞、パンクッ「サンモノリ」など多彩な演目を通して、いつの時代も同胞たちの心を震わせ、互いの気持ちを通わせてきた民族芸術の素晴らしさを発信した。舞台背景のスクリーンには歌舞団の年代別活動写真が映し出された。

観客たちは演目ごとに大きな歓声と拍手を送り、出演者の歌に合わせて「アリラン」を合唱。フィナーレで会場に朝鮮民謡「陽山道」が鳴り響くと、老若男女の観客たちによって踊りの輪が広がった。

公演を観覧した孫永姫さん(84)は女性同盟の歌サークル「コップニ」のメンバー。月に1回、歌舞団の指導を受けながら楽しい時間を過ごしているという。

「彼女たちの歌を聞くと心が弾んで自然とオッケチュムを踊りたくなる。様々な活動に精を出しながら、いつも同胞の近くに寄り添って元気を与えてくれる歌舞団を今後もずっと応援したい」

(李永徳)

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