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〈Q&A〉朝鮮学校への補助金不支給問題

2016年06月23日 13:32 民族教育

“自治体権限に介入、国連勧告にも背く”

朝鮮学校への補助金交付について、朝鮮学校を各種学校として認可している28の都道府県に対して「適正かつ透明性のある執行の確保」を求めた「3.29文科省通知」が波紋を広げている。通知の問題点と朝鮮学校への補助金不支給問題をQ&Aでみた。

Q. 文科省による3.29通知発出の背景は。

通知の背景には、日本政府による朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)への独自「制裁」がある。自民党は昨年6月、朝鮮学校に補助金を支出している地方自治体に対し、全面停止を強く指導・助言することなどを盛り込んだ提言を日本政府に要請。(北朝鮮による拉致問題対策本部対北朝鮮措置シミュレーション・チーム「対北朝鮮措置に関する要請」7項)。今年2月、日本政府が対朝鮮「制裁」を復活・強化した直後には、自民党・拉致問題対策本部が朝鮮学校への補助金の廃止を自治体に求めるよう文科省に働きかけた。上記の背景から、対朝鮮「制裁」の一環として、朝鮮学校への補助金停止を企図して通知が発出されたことは明白であり、極めて政治的・恣意的・差別的なものといえる。

Q. 通知に効力はあるのか。

補助金交付の権限は、地方自治体にある。私立学校振興助成法第16条は、地方自治体が各種学校に補助を実施できると定めている。また、地方自治法232条2項は、その公益上必要がある場合においては任意の対象に寄付または補助をすることができると定めている。地方自治体に権限のある補助金交付に関して、政府文科省が通知を出すことは、自治体権限の問題に介入するきわめて異例で異様な措置だ。

馳文科大臣は通知について「減額しろとか、なくしてしまえとか、そういうことを言うものではありません」(3月29日記者会見)と説明しているものの、通知が朝鮮学校への補助金停止を促す圧力となるのは明らかだ。現に、通知が出された後、一部地方自治体において、政府の意向を忖度して補助金を打ち切る方針を示している。

Q. 朝鮮学校への補助金府交付に至る経緯は。

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