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神戸で「裵美貴展」

2016年04月07日 11:19 文化

「まるで宝石の原石に出会ったよう」

清水さんが魅了されたと言う油絵「がむしゃら」も展示された(左)

清水さんが魅了されたと言う油絵「がむしゃら」も展示された(左)

神戸市灘区のアトリエ2001で、神戸朝高美術部部長を務めた裵美貴さんの個展「裵美貴展」が開催された(3月7~20日)。

白を基調にした空間には、裵さんが高校3年間の美術部活動を通して制作した絵画やオブジェ6点が展示された。

個展は、同画廊を主宰する清水公明(ルビ=まさき)さん(63)が、在日朝鮮学生美術展に出品された裵さんの作品に魅せられ持ちかけたもの。清水さんは、一昨年、裵さんが2年生のときに出品した「クラゲ」をモチーフに48枚のパネルを1枚の絵に仕立てた作品に強く引かれたという。「深い海の中に漂う深海の生物。それが裵さん自身に思えた。この人は、深い海の中で何を見ているのだろうかと」。

昨年の出品作「がむしゃら」に出会い、「この子はやっぱり本気だな」と確信するようになった。「作品の強さが高校生のレベルじゃなかった。真正面から今の社会、自分を取り巻くものに向き合っている強い姿勢を感じた。この絵に触発されて個展を開いてみようと持ちかけた」。清水さんは、裵さんとの出会いを「まるで宝石の原石にであったように胸が膨らむ思いがした」と話した。

作品だけではない。裵さんがギャラリーの空間をうまく活かして、自分で展示プランを立て、空間を自由に使って作品を展示したこと、会期中毎日、来場者にきちんと接していたこと、観にきた人が「気持ちの良い空間ですね」と言ってくれたことなどを嬉しそうに語った。

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