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〈東日本大震災から5年〉失ったものと得たもの/宮城石巻・李忠芳さん

2016年03月11日 09:00 主要ニュース

日本学校出身の李忠芳さん(57)は5年前、東日本大震災の津波被害によって、宮城県石巻市から15キロほど離れた牡鹿郡女川町に住む母と姉を亡くした。震災直後、津波から逃れようと母の手を取り高台に向かってる最中の姉と連絡がつながったが、それが最後のやりとりになった。

母はその年の8月、姉は5月に死亡が確認された。そのときの母と姉の顔は生涯忘れることができない。受け入れたくない現実だったが、家族の死の意味をこれからも胸の深くに刻み、歯を食いしばっていこうと誓っている。

浸水した高さについて説明する李忠芳さん(宮城県石巻市の焼肉店で)

浸水した高さについて説明する李忠芳さん(宮城県石巻市の焼肉店で)

李さんの父(故人)は約半世紀前、海に近い女川町で焼肉店を始めた。「魚文化」の沿岸地域で焼肉店を出店したのは父が初めてだった。その後、石巻市でも店を出した。李さんは東京の大学に通った後に家業を継ぐことにした。

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