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〈東日本大震災から5年〉“同胞社会の心強さ感じる”/老舗の味を郡山で

2016年03月11日 09:00 主要ニュース

昨年12月、福島県郡山市にオープンした焼肉店「ふざん」。李益正さん(75)、遠藤宗子さん(65)夫婦と一人息子の李純一さん(30)が営む。その始まりは、50年前、双葉郡浪江町で益正さんの母親が開いた「釜山食堂」という焼肉店だった。浪江町で長年親しまれてきた同店を道路拡張による立ち退きで移転し、新しく韓流「釜山」を構えた、そのわずか5年後、東日本大震災が町を襲った。福島第一原発事故が起こり、原発の8km圏内である同町は全域が避難指示区域に。李さん夫婦も千葉県成田市での避難生活を余儀なくされた。

李さん一家(焼き肉ふざん)

李さん一家(焼き肉ふざん)

先行きが不透明な不安の中、店の再開を迷う李さん夫婦の背中を押したのは息子の純一さんの存在だった。震災当時、福島初中の教員だった純一さんはかねてから店を継ぐ考えを持っていたこともあり、教員を辞め、茨城県筑波氏の親戚が営む焼肉店で3年半、修行を積んだ。そして迎えた焼肉店「ふざん」オープンの日。店には、オープンの知らせを聞きつけた浪江町時代のなじみの客も足を運んだ。中には新幹線に乗って訪ねてくる客もいたという。

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