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〈特集・ウリハッキョの今、70年の軌跡〉横浜初級/8.18の精神、母校愛を胸に新たな一歩を

2016年02月29日 16:17 民族教育

神奈川県横浜市、沢渡の丘の上に位置する横浜朝鮮初級学校には、現在鶴見、横浜、西横浜、神港、湘南・西湘支部を含む学区から生徒たちが通う。1972年、初の在日同胞学生祖国訪問団を輩出し、現在も「8.18」の精神を胸に歩む、同校の70年を取材した。

横浜初級の生徒と教員たち(撮影・李哲史)

横浜初級の生徒と教員たち(撮影・李哲史)

民族教育の灯守る

祖国解放を迎えた当時、神奈川県には約6万人の同胞が在住していた。解放の喜びの中、同胞たちは、横浜市内の「国語講習所」を統合し、46年2月25日、朝聯横浜支部会館の2階に「横浜朝聯初等学院」を開設。横浜民族教育のスタートを切った。同年4月5日からは、生徒数の増加から中区本牧にある大鳥小学校の西側3教室を借りて教育を行った。その中で急務となったのが、学校建設だった。同胞たちは、市内でもっとも見晴らしのよい沢渡の丘(沢渡公園)7000坪を東急電鉄から54万円(当時)で買い取った。「この景色のよい沢渡の地に学校、もしくは国交正常化のあかつきには領事館を建てればどんなにいいか」。当時、県本部委員長を務めた故韓徳銖議長の言葉だ。この土地に対する深い思い入れ、そして同胞たちの「先見の明」が感じられる。48年3月から340万円の予算で始まった学校建設では、木材が配給制の中、朝聯本部が組織的な事業として木材商の資格を取得し、秋田県の山林を購入、「最高級の秋田杉」を建設に充てた。また、ある同胞は名古屋まで足を運び「特等の瀬戸の瓦」を購入した。しかし、同年9月にこの地域を襲った台風により、建設中の学校は一晩のうちに倒壊することとなる。

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