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〈東北初中ハッキョ便り 7〉試練の先のうれし涙

晴れの舞台に立った舞踊部の女子児童たち

晴れの舞台に立った舞踊部の女子児童たち

「おめでとうございます。優秀作品発表会出演作品に選ばれました。すぐに準備を…」

頭の中でこの半年間の出来事が走馬燈のようにめぐり、それ以上は耳に入らなかった。

初級部から大学まで大好きな朝鮮舞踊の世界で生きてきた。舞踊はもはや人生の一部だ。その舞踊を子どもたちに教えたいという一途な気持ちで、東京第一初中出身の私は今、東北ハッキョで舞踊教員をしている。

栃木初中と合同で芸術コンクールに出たのも、子どもたちに群舞の「楽しさ」を知って欲しかったからだ。学生数は東北3人、栃木4人の計7人。どちらも群舞の規定には満たない。だが合同ならクリア。

彼女たちは普段、それぞれの学校で練習を行う。一緒に練習できるのはゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィーク、大会直前の合宿と数えるほどしかない。その数少ない合宿の度に彼女たちは見違えるほど成長する。特に7泊8日の夏休み合宿は過酷であった。

考えてみて欲しい。9~11歳の女の子たちが親元を離れて、集団生活をしながら、朝から晩まで舞踊練習をするのだ。並大抵のしんどさではないはずだ。しかし、彼女たちは与えられた境遇にめげずに立ち向かっていく。時に涙を浮かべながら練習し、練習後の総括で悔しい思いを打ち明け、疲れた体で洗濯、掃除をする。時に皆でガヤガヤとご飯を食べて、キャッキャとお風呂に入り、布団の中で語り合いながら眠りに就く。合宿を終えてそれぞれの学校に帰る時は、嬉しいはずなのにどこか寂しげでもあった。

このような過程を経た彼女たちが、初めて立った大きな舞台で悔いのない演技をした。その努力に褒美をくれたのだろうか。顔をくしゃくしゃにして嬉し涙を流す彼女たちが、愛おしく誇らしかった。合同群舞を通じて彼女たちは、がんばることの大切さ、試練の先にこそ栄光があること、つらい練習の中にも楽しみがあることを経験できたのだ。私はますます朝鮮舞踊が大好きになった。

(趙慶拏、教員)

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