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「新型大国関係」の実像

2015年09月28日 09:48 春・夏・秋・冬

平壌に向かう途中、北京に滞在した。習近平主席が訪米中であった。現地の「歓迎ムード」を強調する国営テレビのレポートばかり見ていると、中国が提唱する米国との「新型大国関係」が実現したような錯覚にとらわれた

春夏秋冬▼ところが実際は、米国への迎合姿勢が目立つ外交だった。オバマ大統領と会談した習主席は会見で「朝鮮半島に緊張を醸成したり、国連安保理決議に違反するいかなる行動にも反対する」と述べた。朝鮮の人工衛星打ち上げ、核実験を念頭に置いた発言だ。米国の対朝鮮敵視政策が緊張激化の最大要因であることには触れなかった

▼朝鮮は不当な二重基準を用いた安保理決議を認めていない。日本のような同盟国は衛星を打ち上げてもよいが、自分たちに従わない国はそのような技術を持ってはならないというのが決議を主導した米国の論理だ。公平の原則を否定する暴論に同調することが中国のいう「新型大国関係」なのか

▼他国の権利を無視することが「大国」の証だと考えているのなら勘違いも甚だしい。習主席は会見で朝鮮半島の非核化問題に言及し、6者会談で採択された9.19共同声明の「忠実な履行」を訴えたが、声明に明記された自主権尊重と主権平等の精神を参加国自身が安保理の名を借りて全面否定しているのが今の現実だ

▼いかなる圧力によっても朝鮮を屈服させることはできない。「大国」を自称する国々の傲慢な振る舞いは、自主の国の強い反発を招くだけだ。(永)

 

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