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6.25国防委声明の背景/「第2の朝鮮戦争」を抑止

2015年07月01日 14:05 主要ニュース 朝鮮半島

反米闘争、新たな高い段階に

朝鮮戦争勃発から65周年を迎えた6月25日、朝鮮の国防委員会が声明を発表し、「反米闘争が新たな高い段階に入る」と言明した。

米国の軍事的挑発

「朝鮮戦争の惨敗から教訓をくみ取る代わりに、朝鮮に対する孤立・封鎖・圧殺の度合いを強め、第2の朝鮮侵略戦争を挑発しようとする米国の策動が、重大な段階に至っている」

国防委員会は声明でこのように指摘し、▼米国の対朝鮮敵視政策とそれによる前代未聞の孤立・圧殺策動を粉砕するための朝鮮の軍隊と人民の反米闘争が新たな高い段階に入る▼米国は対朝鮮敵視政策を捨てて、歴史と朝鮮人民の前に白旗を掲げるべきである。朝鮮を狙った侵略戦争計画も取りやめるべきであり、地上、海上、空中で繰り広げる無謀な核戦争騒動も中止すべきである▼全世界が反米対決戦に決起することをアピールする―という3つの立場を表明した。

6.25に際して国防委員会の声明が出されることは異例だ。国防委員会声明が「米国による『第2の朝鮮戦争計画』がすでに実戦段階に入った状態である」と指摘しているように、米国は朝鮮に対する軍事的脅威を増大させ、前代未聞のレベルにまで引き上げている。

朝鮮は米国に対して、朝鮮半島の緊張を緩和させ、平和的環境をつくることを年頭から一貫して主張してきた。

平壌で行われた「米帝反対闘争の日平壌市民大会」(6月25日、朝鮮中央通信=朝鮮通信)

平壌で行われた「米帝反対闘争の日平壌市民大会」(6月25日、朝鮮中央通信=朝鮮通信)

第1書記は新年の辞で、米国に対して、時代遅れの対朝鮮敵視政策を転換するよう求めた。1月9日には朝鮮政府が米国にメッセージを伝え、「合同軍事演習が臨時中止される場合、朝鮮も米国が憂慮する核実験を臨時中止する措置を講じる用意がある」と提案した。

しかし米国は3月から4月にかけて、「首脳部除去」と「平壌占領」を狙った米国の全面戦争シナリオに沿って、米・南合同軍事演習を実戦さながらに繰り広げた。最近も、朝鮮に対する軍事的挑発の度合いを段階的に高めた。

6月3日、「北の脅威」に対する抑止力強化という名分の下、米・南両軍による初の混成部隊である米・南連合師団を発足させた。この連合師団は、朝鮮の領土に不意に侵入して朝鮮の核・ミサイル基地を先制攻撃する特殊任務の遂行を使命としている。

一方、在南米海軍司令部は、米海軍武力の60%をアジア太平洋地域とインド洋に展開し、その中の相当な部分を南朝鮮に配備するという方針に沿って、ズムウォルト級駆逐艦(DDG-100)、垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイ、電子戦機EA-18、P-8海上哨戒機ポセイドン、弾道ミサイル対応型のイージス艦2隻など米海軍の最新戦争装備を配備する計画を明らかにした。

さらに米国は6月18日、横須賀にある在日米軍基地に、イージスシステムを搭載した米海軍の最新型ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」号を配備した。2017年までに同基地に追加配備される予定のイージス艦3隻のうち最初の到着。今秋には5月に離日した原子力空母ジョージ・ワシントンの後継として同型艦ロナルド・レーガンも入港する予定で、計画通り追加配備が進めば、横須賀基地の艦船は14隻となり、第2次世界大戦以来最多となる。

チャンセラーズビル号は空母打撃群の直接支援に必要な防空、水上戦、対潜戦の最新鋭システムを搭載している。軍事専門家らによると、米国が海外にこのような打撃力のある艦船を配備するのは今回が初めてだという。朝鮮側は「核戦争準備のための騒動の度合いを高めている」(朝鮮中央通信社論評)と非難している。

一方、米国が南朝鮮の烏山米空軍基地に生きた炭疽菌をひそかに搬入した事実も明らかになった。米国は今回の事件に関して、「北の生物・化学兵器開発に対応するため」だとして炭疽菌搬入を正当化しようとしたが、朝鮮は一貫して生物・化学兵器の開発自体を否定してきた。国際的に使用が禁止されている生物兵器の中でも、殺傷力が95%に達するという炭疽菌。米国は朝鮮戦争時、炭疽菌をはじめあらゆる細菌爆弾・砲弾を朝鮮北半部の地域に大量投下した。今回の事件によって、朝鮮半島有事に危険な殺人兵器を再び投入しようという米国の企図が露わになった。

軍事領域だけでなく、朝鮮を政治的に孤立させようという米国の働きかけもより悪らつなものとなっている。

南朝鮮と結託して6月23日、ソウルに国連「北人権事務所」を開設した。さらに6月25日には、米国務省が「2014国家別人権報告書」を公表し、「北朝鮮の人権状況が世界最悪の水準だ」と指摘した。米国務省は2009年以降、朝鮮の「人権実態」に対して「劣悪(poor)」「悲惨(deplorable)」「暗鬱(grim)」などの表現を使ったが、今回は「世界最悪(the worst in the world)」と評価した。

朝鮮をめぐる「人権」騒動の裏には、米国と追随勢力がうたう「人権擁護」の美名の下、朝鮮のイメージを著しく損なわせると同時に、朝鮮への侵略と「体制転覆」を実現するための口実をつくるという目的が隠されている。

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