公式アカウント

〈取材ノート〉闘争の中の舞踊

2014年11月22日 13:09 コラム

取材ノート2日間に渡り、中央芸術コンクールを取材した。学生時代に参加したコンクールということもあって、当時の緊張や喜び、悔し涙を思い出しながら、会場の門をくぐった。

中・高の創作群舞部門では、統一を願う気持ちや祖国への思いを表現した作品、民族教育の闘争の歴史を紐解き、今も続く朝鮮学校差別に立ち向かう決意をこめた作品が披露された。美しい舞踊だけに留まらない重いテーマを扱った作品群。起承転結のストーリーで舞踊が展開される中、朝鮮学校が弾圧されるシーンで幼い生徒たちが浮かべる苦悶の表情や、先代の思いを受け継ぎ学校を守ろうとする決死の表情を見て、胸が痛まずにはいられなかった。補助金支給停止や「高校無償化制度」からの除外…常に差別の最前線に立つ生徒たち。その中で民族教育を守る意味がしっかりと刻みこまれているからこそ、心の底からにじみでる嘘偽りのない表現が出来るのだろう。

ある朝高の舞踊部員は「作品の形は違っても、私たちは皆、同胞たちに伝えたいものを胸に秘めて踊っている。そしてそれは見る人の心を、五感を通じて揺さぶる。舞踊の持つ大きな力が、私にたゆまず舞踊を続けさせてくれている」と力強く話してくれた。

そんな生徒たちの姿に感動ばかりもしていられない。彼女たちが一日でも早く、豊かな同胞社会、祖国統一の喜びを胸に舞うことができるよう、大人たちが責任を果たしていかなければと襟を正される思いだった。(宥)

Facebook にシェア
LINEで送る