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差別への非難

2014年08月25日 16:00 春・夏・秋・冬

国連の人種差別撤廃委員会は先週、ジュネーブの欧州本部で2010年以来の対日審査を行った。日本のマスコミは、社会問題となっているヘイトスピーチ(憎悪表現)の法規制を巡る議論が焦点となったと伝えた。春夏秋冬

∇委員会は、日本に対して包括的な反差別法の制定を求めたが、報道に接した国内のネットユーザーからは「外部からの干渉は受けない」などと反発、異論が相次ぎ、身勝手な理屈を拡散させていた。

∇世界との関係を忘れた内向き志向は、「ネット右翼」だけに見られる病巣ではない。本紙電子版で既報の通り、今回の対日審査では「高校無償化」制度からの朝鮮学校除外および地方自治体による補助金削減問題も議論された。委員たちは、朝鮮学校生徒に対する人権侵害を非難した。VOA(ボイス・オブ・アメリカ)によると、日本政府代表は「朝鮮学校が朝鮮総聯と無関係であることを証明できなかったために」取られた措置であり、差別ではないと強弁した。日朝国交正常化が実現すれば、再検討の余地もあると論点のすり替えも行った。

∇説得力皆無の見苦しい弁解だが、日本が世界から厳しい視線を浴びていることを知らない国民は少なくない。必要な情報が遮断されているためだ。ジュネーブでの朝鮮学校に関する議論も米国メデイアは伝えたが、日本のマスコミは積極的に取り上げなかった。国際的な批判に耳をふさぎ、独善的な主張に固執する国は孤立の方向に向かうしかない(永)

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