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職務怠慢

2014年08月01日 10:49 春・夏・秋・冬

名は体を表すとはいうものの、どの世界にも肩書きをつけただけで、ろくな働きをしない人物はいるものだ。朝鮮問題を担当する役人の中に実例がある。6者会談の米側首席代表を務めるデービス朝鮮担当特別代表の言動は、名ばかりの責任者による職務怠慢の典型だ。春夏秋冬

∇米下院の外交委員会で朝米基本合意文発表20周年に際した公聴会が開かれ、デービス代表が証言した。6者会談は、6年間中断状態にあり、デービス代表自身も2012年に一度だけ朝鮮側と対話を行い、その後は接触すらままならなくなった。実績がない官吏は、自己弁明と責任転嫁に終始した。

∇代表いわく、核問題が解決しない原因は朝鮮側にあり、朝鮮に圧力を加え続けることが、唯一の解決策だという考えに変わりはないそうだ。現在、朝鮮は「無条件の対話再開」を主張しているが、その担当者の見立てによると「北朝鮮は6者会談を核開発を続けるための隠れ蓑にしようとしている」という。そこから導き出される結論は、米国が会談再開を積極的に求めないということだ。

∇彼は6者会談首席代表としての責任を果たすつもりなどないのだろう。その無気力ぶりは、彼を任命したオバマ政権の政策を体現したものだ。「ノーベル平和賞」の空虚な肩書きを貰っても「核なき世界」のために働かなかった見掛け倒しの大統領は、圧力路線をいまだ見直さず、朝鮮半島に一触即発の危機をつくりだしている。(永)

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