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〈金剛山歌劇団創立40周年記念公演〉「ひとつの山河」西東京公演

2014年07月22日 11:13 主要ニュース 文化・歴史

統一を願う思い溢れる舞台

金剛山歌劇団創立40周年を記念する日本巡回公演「ひとつの山河」西東京公演(主催=同公演実行委員会)が19日たましんRISURUホール(立川市市民会館)で行われた。会場には、総聯西東京本部の高徳羽委員長、西東京商工会の朴再洙会長をはじめ市議、同胞、日本市民など、約900人が足を運んだ。

高音チョッテ独奏と舞踊「金剛山の羽衣伝説」

高音チョッテ独奏と舞踊「金剛山の羽衣伝説」

朝鮮半島の「統一」がテーマとなっている今回の巡回公演では、咸鏡北道から済州島まで、朝鮮のあらゆる景勝地を表現した歌や踊りが披露された。

第1部のオープニングでは朝鮮の景勝地と同歌劇団の歩みを振り返る映像が流された。続いて美しい景色に酔いしれる旅人たちの姿を歌と踊りで表現した「朝鮮八景歌」や平安南道の民謡「リョンガンキナリ」のチャンセナプ独奏、平壌の景勝地牡丹峰の春を扇を用いた踊りで表現した「牡丹峰の春」などが披露され、中でも男声独唱とコーラス「八道江山訪ねよう」で優雅なクッコリのリズムに合わせ客席後方から現れた人民俳優李栄守団員の姿に会場の雰囲気はぐっと盛り上がり、その後披露された「八木節」では手拍子が巻き起こった。

第2部は金剛山に舞い降りた仙女の伝説を幻想的な高音チョッテの調べで表現した「金剛山の仙女」から始まり、済州島の海女と釣り人とのユーモラスなやりとりを描いた混成重舞「トルハルバンと海女たち」、統一の願いが込められた男声独唱「白頭から漢拏までわが祖国」、群舞「大河」などが披露され、フィナーレの民族舞踊「農楽舞」で幕を下ろした。

群舞「高麗三神仏の舞」

群舞「高麗三神仏の舞」

今回「トルハルバンと海女たち」に出演した同歌劇団の趙潤華団員(23)は、男勝りな済州島の海女たちの姿を表現するにあたって、まだ見ぬ済州島を映像などの資料を通して想像してみたり、団員たちと話し合いながら工夫を重ねたという。また「統一」がテーマである今回の公演を通して「朝鮮半島の歌や踊り、楽器を演奏する歌劇団の存在は芸術を通して北と南、日本をつなげる重要な役割を担っているんだと感じた。公演を通じて北南、朝・日の間のわだかまりを少しでもなくすことができたらいい」と話しながら、会場に足を運んだ人々に日常の忙しさを忘れることができる素敵なひとときを味わってもらえたら、と語った。

上村和子・国立市議は舞台を通じて朝鮮半島の統一を願う思いに圧倒されたとしながら「踊りや歌を通して、朝鮮半島全道が朝鮮民族にとっての祖国であり、それをへだてるものがあってはならないと強く感じた。歌劇団の団員たちの統一への思いが伝わり涙が溢れた」と話した。

(文・金宥羅、写真・李哲史)

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