公式アカウント

奈良で民族教育が再開/幼稚班入園式は「新たな出発宣言」

2014年04月09日 18:48 民族教育

「ようやく、この日を迎えられた」。奈良県青商会の文春基会長(40)は同胞たちの気持ちを代弁するように、こみ上げる感情を噛み締めた。6日、奈良朝鮮幼稚班第34回入園式が行われた。2008年に奈良朝鮮初中級学校が休校。幼稚班の入園式は、実に10年ぶりだ。2人の園児を迎えての入園式、その後の記念式典と祝賀宴では、奈良だけでなく、大阪、兵庫からかけつけた約200人の同胞、日本人支援団体代表らの笑顔がはじけた。この日、奈良県における民族教育の新たな出発の汽笛が鳴らされた。

校舎に戻った声

入園式が行われた講堂だけでなく校舎のいたるところに、各地の朝鮮学校から送られたメッセージが飾られていた。東京、神奈川、大阪、京都、広島、福岡…。奈良幼稚班の再開が県内だけでなく、同胞社会全体の高い関心の中に行われたことを物語っていた。

温かい祝福の中に行われた奈良朝鮮幼稚班入園式

温かい祝福の中に行われた奈良朝鮮幼稚班入園式

祝賀宴のために運動場に集まった同胞たちを眺めながら「みんな表情が違う」と笑顔を見せた文春基会長。幼稚班の運営を土台に今後、初級部、そして中級部までも再開する構想を胸に秘めている。母校である奈良初中の休校は、「同胞たちの心のより所を失った悲しみ」でもあった。「たくさんの思い出が詰まっている場所、みんなが集える場所である学校がなくなったことで、奈良の同胞社会は沈んでいた」。

Facebook にシェア
LINEで送る