2007年のソウル開催以降、7年ぶりに北南海外の同胞女性が集った今回の討論会は国際的にも大きな関心を呼び、南の報道もこぞって取材に駆けつけた。統一ニュースや聯合ニュース、韓国日報などの通信社、新聞社をはじめKBS、MBCなどテレビ各社が取材し、当日から各社が一斉に報道した。
国際的な関心を集めた熱気と7年ぶりの北南海外同胞女性たちが再開した喜びと緊張の中、討論会では三つのテーマの討論と日本軍「慰安婦」被害者の証言が行われた。私は第一のテーマである「日帝植民地犯罪―過去の清算、強制連行」について討論をした。朝鮮人強制連行真相調査団がこれまで朝・日合同で行ってきた日本国内での強制連行の調査の実態を報告した。
来年は祖国解放70周年を迎える年だが、関東大震災朝鮮人虐殺、日本軍「慰安婦」、未払い賃金、強制連行犠牲者の遺骨、被爆者、空襲犠牲者、浮島丸事件、歴史教科書の歪曲など、いまだ未解決の問題について提起した。
日本軍「慰安婦」については1977年に沖縄在住の裵奉奇氏の証言が朝鮮新報に掲載されたこと、1937年に長崎県の少女が中国・上海の「慰安所」に騙されて連行された事件が当時の最高裁判所である大審院で「女性を騙して国外の慰安所に連れて行くことは国外移送目的誘拐罪にあたる」との判決文を発見し、「慰安婦」の精神的強制性を明確にした事などを報告した。討論を終え、北南の代表・参加者たちが私を訪ねてくれ、「日本各地の強制連行・労働体験者が解放後も故郷に帰れずに、被爆の後遺症や事故やリンチなどで受けた障害を持っている事実を初めて知り、胸が痛んだ。日本植民地支配の罪の深さに怒りを禁じえない」などと感想を話してくれた。
なかでも南の参加者の「これまで真相調査団の存在を知らなかった。調査団の存在は総聯の力だ」との言葉には大いに励まされた。
証言では何よりも13歳の時に中国の満州に連れて行かれ「慰安婦」を強要させられた吉元玉さんの証言が強く胸に響いた。吉さんはこれまで証言をしたり、水曜デモに毎回参加してソウルの日本大使館前で謝罪と賠償を訴え続けて来たのは「自分の傷口を癒すためではない。私たちが受けた過ちを二度と繰り返させないため、後世に同じ被害を加えられないようにするためだ」と力を込めた。
以前、私は2004年にソウルで開かれた「日本の過去清算を求める国際連帯協議会」に参加し、地元の山口県にある長生炭鉱の水没事故遺骨問題について、故清水澄子氏は日本人軍人・軍属の遺骨調査について報告した。協議会には北南と海外の日本軍「慰安婦」被害者と強制連行被害者が参加し、過去の清算を求め協議した。しかし、その後も日本政府は過去の清算をするどころか、安倍政権にいたっては軍国主義の復活を叫び、「在特会」によって京都朝鮮学校襲撃事件が引き起こされるなど社会に排外主義を蔓延させてきた。
今年2月には金剛山で北南離散家族の再会が実現。一方、米南合同軍事演習「フォール・イーグル」が4月18日まで強行される。このような朝鮮半島の和解と緊張激化の情勢の中で、このたびの女性討論会は日本軍「慰安婦」問題解決をはじめとし、北南関係の改善と民族の和解、民族同士が団結し祖国統一実現のために女性たちの力で難関を打破し、突破口を開く原動力にしていくことなどを共同決議文に託し、相互に誓い合ったことに大きな意義があった。
今後、私は吉元玉氏の「後世のために。過ちを二度と繰り返させないため」にという言葉を胸に刻み、日本軍「慰安婦」被害者の支援、植民地被害の実態調査など、北南海外と分断された地と異国にいながらも民族同士が平和統一実現のために、それぞれが役割を果たすことができると確信した。発想を転換し分断というマイナスの条件をプラスの条件に変えていって、それぞれの地でしかできない山積みされた課題をこなしていけば、必ず統一実現への道につながるはずだ。さらに日本国内での真相調査団活動の重要性を痛感し、今後も精力的に続けていきたいと思う。
(朝鮮人強制連行真相調査団・朝鮮人側中央本部事務局次長)