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芸術、料理、文化、民族とのふれあい/西東京朝鮮第1初中バザー「ふれあいフェスタ2013」

2013年11月18日 16:44 文化・歴史

西東京朝鮮第一初中級学校(東京・立川)で10月27日、「ふれあいフェスタ2013」(主催=同実行委員会)が行われた。会場には、総聯西東京本部の高徳羽委員長をはじめ柳順姫実行委員長(オモニ会会長)、アボジ会会長の金貴東氏、西東京同胞や卒業生、立川市議会の大沢豊議員をはじめとする、立川市内近隣の学校校長、PTA会長や役員、住民、一般市民など約1000人が駆けつけた。

初の試みとなる金剛山歌劇団団員と学生のコラボ公演

初の試みとなる金剛山歌劇団団員と学生のコラボ公演

 

多様なステージ

柳順姫実行委員長の話によると、ふれあいフェスタは、ウリハッキョを通じて朝鮮文化と「ふれあう」ことをモットーに行われてきたという。オモニ会では、年間を通してべルマークを集めたり、キムチ販売などをして同胞たちで力を合わせて学校運営を支えてきた。「西東京第一初中の特徴は、近隣の日本市民たちとの仲がとても良く、同校を支える日本市民らの活動が活発に行われていることだ」と話す。「今年は、週末になる度、台風が来て、予報を見ながらフェスタの準備に取り組まなくてはならなかったのが一番大変だった。準備は、毎年やっているが、1世、2世のやってきたことを、これからも変わらず繋いでいきたい」と話した。

連日、台風警報もある中、フェスタ当日は、晴天に恵まれた。校内には、飲食ブースが多数設けられ、炭火焼肉、サムゲタン、チヂミ、キムパプ、焼き鳥、ホットッ、トッポッキ、すじ煮込み、温麺&冷麺、フランクフルト、やきそば、飲物、わたあめ、朝鮮乾物などを朝鮮学校生徒、アボジ会、オモニ会、朝青員たちが販売した。また、リサイクル、カフェ、似顔絵、オリニコーナー、朝鮮学校や市民グループの支援活動を紹介する展示、チョゴリ試着撮影などの各コーナーも人気があった。

午前11時、開会宣言が行われ、はじめに西東京朝鮮学校生徒らによる公演が披露された。中級部のサムルノリ、初級部の合唱、そして舞踊など、民族性あふれた公演で会場は大盛況。

おでんを販売する中級部の生徒たち

おでんを販売する中級部の生徒たち

 

続いて、金剛山歌劇団ミニコンサートと初の試みとなる学生とのコラボ公演「ピビンバランチコンサートinふれあいフェスタ」(主催=西東京南部商工会)が注目を浴びた。

西東京南部商工会理事長によると、南部商工会では、2011年から会員を対象に毎年11月3日に「ピビンバランチコンサート」を開催してきた。民族楽器の音色を通して、ウリマウム(民族の心)を伝え、忙しい毎日を乗り切るパワーをつけてもらうための活動だったという。

今回は、ふれあいフェスタがあるということで、同胞たちに参加を広く呼びかけた。理事長は、「これからも細く長く、同胞たちが喜んでくれる催しを継続していきたい。日常生活の中で同胞たちが民族とふれあう機会が少ないので他の地域でもこのような企画を開いてもらいたい」と話した。

民族器楽部主将の李琇(示に貞)さん(中級部3)は、「金剛山歌劇団の先生たちには、初級部4年頃から6年間指導を受けた。公演を一緒にすると聞いて最初はとても不安だったが、先生たちが、自分たちに合わせてくれて楽しく練習出来た。同じ舞台に立てたことが嬉しくてたまらない。これからもこの経験を糧に、練習に励み、中央芸術コンクールでいい結果を残せるようにがんばりたい」と意気込んだ。

ピビンバランチコンサート後、初級部児童たちによるテコンドー演武が行われ、その後抽選会が行われた。

 

参加者らの声

メイン会場となった校庭では、在日同胞や日本市民などが七輪を囲んで焼肉を焼き、抽選会やステージでの公演を楽しんでいた。

昭島市から来た金英子さん(67)は、同胞の行事には毎回参加しているという。「孫が大きくなると、学校に来る機会があまりなくなるのでこうした行事に参加できて嬉しい。何より同胞たちが集まると楽しいし、元気をもらえる。今日は、天気もとてもよく、おいしい料理に、舞台では無料で歌劇団の公演も観られて、自然と踊っていた。学生公演を観ると本当に民族教育は素晴らしいと思った」と感想を話した。

ふれあおフェスタを楽しむ同胞たち

ふれあおフェスタを楽しむ同胞たち

 

中級部卒業以来、7年ぶりに学校を訪れたという曺由貫さん(22)は、「久々に学校に来たが、なにも変わっていなくてなつかしい。来春で日本の大学を卒業し、社会人になるが、ここで学んだ日々を胸に在日朝鮮人として生きていこうと思った」と話す。そして、「日本には、在日同胞に対して偏見をもっている人たちが多いが、ふれあえば理解できるということを伝えてあげたい。これからも時間のある限りこのような行事には参加したい」と語った。

チョゴリコーナーには、「ハムケ共に」の一員という永井敏之さん(46)と娘の智汎ちゃん()がいた。智汎ちゃんは、「私の大好きな色のチマ・チョゴリを着られてとてもうれしい」と喜んでいた。永井さんは、「在日の人たちは本当に元気! 食べ物もおいしいし、学校が生き生きとしている。だが、一歩外に出ると、補助金は打ち切られ、不当な差別があるという状況に心が痛む。朝鮮学校を、悪くいう人もいるが、生き生きとした児童、生徒や在日同胞、学校の姿を見せれば、ここに何があるかわかるはず」と語った。

(金秀卿)

 

 

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