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開城の世界遺産を訪ねて(下)/小久保晴行

2013年10月30日 14:25 主要ニュース 朝鮮半島

高麗の歴史つくりし王建の墓に参りて平和いのりぬ

満月台に続いて訪れたのは鄭夢周の邸宅跡の崧陽書院である。子男山の南側に建つ崧陽書院は高麗末期に建てられ、朝鮮王朝時代に建て替えられた儒教の教育機関であった。

朝鮮王朝時代には儒教の大家たちの祭祀が行われた場所であり、正面の高い石垣で囲われた書院の門をくぐると中庭を挟んで東西に斎(学生寮)が建ち、さらに奥には講堂がある。講堂の急な石段をさらに昇ると、鄭夢周の祭祀を行った祠堂がある。

世界遺産の中心のひとつが朝鮮半島初の統一国家をうち建てた王建(877~943年)の古墳であり、三段築造形式の王陵である。

王建は918年6月、高麗を建国して王位についた。王建の父王隆は松嶽郡の代官だった。弥勒菩薩の再来と自称していた隻眼の僧・弓裔は901年に後高句麗を建国し、911年には泰封と改称した。この年から王建による三国統一までの間、落日の新羅と後百済、泰封による朝鮮史上まれに見る戦国時代「後三国時代」が続いた。

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