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〈徐千夏先生の保健だより〉7月/新しいワクチン事情について

2013年07月11日 13:24 文化・歴史

最近までハッキョでは水ぼうそうがはやっていました。り患年齢は幼稚班から中学生まで実に様々です。予防接種で防げる病気はたくさんあります。生後数週間からスタートを切るロタウイルスを皮切りにB型肝炎などは母子感染の疑いがある場合は生後間もなく接種されます。ポリオは不活化ワクチンが2012年9月1日に導入され、3回、追加1回の合計4回接種になりました。また、3種混合(DPT:ジフテリア、百日咳、破傷風)+不活化ポリオの4種混合(DPT-IPV)も2012年11月1日よりスタートしました。この他、子宮けいがんワクチン(HPV)は副作用反応者が発生し、ワクチンに問題はないが、検討する時間が必要とのことで、ただ今一時中断されています。このように予防接種スケジュールは常に変動しますので、小さいお子さんをお持ちの保護者の方はかかりつけ医と相談しながら、スムーズな接種スケジュールを立てることが望まれます。

終生免疫と一過性免疫

一終生免疫

  • 一度罹ると一生涯にわたって免疫を維持し、その病気にかからない状態
  • 例として、麻疹、風疹、ムンプス、結核など
  • 潜伏期間が長く、全身性の感染症に多い

一過性免疫

  • 一度罹っても長期免疫が成立せずに何度もかかる状態
  • 例として、ノロウイルス、ロタウイルス、普通感冒、インフルエンザなど
  • 潜伏期間が短く、局所性の感染症に多い

終生免疫に対する最近の考え方は長期に持続する免疫は、抗体刺激が時々起こることで維持しています。(ブースター効果)例として、ムンプスに罹ったことのある人でも、まったくウイルスに接しないような環境で過ごすと、再感染することがあるということです。

生ワクチン(麻疹、風疹、ムンプス、水痘など)も終生免疫が獲得されると言われていましたが、ウイルスに接する機会がないと、抗体価は低下してきます。

そのため、以前は1回接種であったMRワクチン(はしか・風しん)は2006年4月より2回接種となり、任意接種であるムンプスと水痘ワクチンも現在は2回接種が推奨されています。1回接種だけでは免疫は獲得しにくくなってきたということです。

ただ定期予防接種に関してはかかりつけ医と相談しながらこなせていけますが、任意の予防接種に関してはウリハッキョを見渡しても接種率は格段低いことがわかります。

どうしても自費ということ、また費用が高額ということで敬遠されがちです。

接種したからといいって、り患しないわけではありませんが、重症化を防ぐためという意図もあると思います。

子宮けいがんやインフルエンザは何十種類もの型の中からいくつかの型だけを抜粋してワクチンを生産しているので、必ずしも型が合うとは限りません。

このようなワクチンはともかく、定期予防接種や任意であるムンプス、水痘、B型肝炎についての接種検討をしてみてはいかがですか。

*B型肝炎は性感染症と思われがちですが、無症状なので無意識のうちにキャリアが家族内で広がり、保育所などで唾液などを介して感染する場合もあります。小さいうちに集団生活をしているお子さんについても、かかりつけ医と相談してみてください。

(養護教員)

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