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詭弁に注意

2013年06月17日 09:58 春・夏・秋・冬

大阪のあるトーク番組で、日本軍「慰安婦」問題に関する橋下大阪市長の発言をめぐる視聴者電話投票が実施された。結果は、「問題なし」7713票、「問題あり」2011票。結果について、番組に出演した市長は、「やはり有権者の方は冷静だなと。小金稼ぎのコメンテーターとは違う」と述べた。これに対し、出演していたコメンテーターが、自ら退場し番組を降りた

春夏秋冬▼この番組でのやりとりが論議を呼んでいるが、投票結果はあくまで視聴者を対象にしたものであることを忘れてはならない。「視聴者」を「有権者」に拡大させた橋下市長のコメントは、論理学で「軽率な一般化」「誤った一般化」と呼ばれる詭弁だ

▼「人のふり見てわがふり直せ」ではないが、こうした詭弁はしばしば起こり得る。「同胞たちは○○すべきだと言っている」「学父母は○○を求めている」といった言葉も危ない。聴く耳を持ちつつも、運動や政策に反映する際は、「同胞」「学父母」という表現の量や質が科学的に分析されなければならない

▼科学の第一歩は観察とデータ収集。在日朝鮮人運動で言えば、同胞一人ひとりの声を拾い上げることだ。そのために欠かせないのが同胞訪問。執行単位は分会や班だ。拾い上げた「声」をやみくもに上にぶつけるのではなく、同胞の生の声を、科学的根拠を持って分析し、その妥当性を精査した上で運動に反映することが最も誠実な態度だ。(天)

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