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〈取材ノート〉ほとばしる情熱

2013年05月15日 13:59 コラム

取材ノート4月中旬、出張で関西地方に向かった。インタビュー、密着取材、各種イベントの取材など、いろんな場所でいろんな人と出会った。この間の取材を改めて思い返してみると、それぞれがまったく別の地域、人々であるのに、そのすべてに共通するものを感じた。

京都、滋賀のウリハッキョのためのチャリティーライブを行った京都朝鮮歌舞団、4.24教育闘争65周年に際し兵庫で行われた講演会、朝青大阪府本部主催の総合公演「大阪(テパン)の炎」。4.24教育闘争期、初級部2年だった兵庫のある女性同盟顧問は、「今回の4.24の講演は、まるで自分の歴史を紡ぐような印象だった」と話した。また、ある大阪の40代同胞女性は、「4.24を彷彿させるような現状」と、在日同胞をとりまく環境の厳しさを懸念する声をもらしていた。

4.24教育闘争から今年で65年を迎えたが、「高校無償化」、補助金問題など在日朝鮮人に対する日本政府の差別政策が深刻化する現状を考えると「4.24はまだ終わっていない」。その一言が頭に浮かんだ。

しかし、ネガティブな現状を吹き払うかのように、どの現場にも「ウリハッキョのために」ひた走る人々の情熱がほとばしっていた。特に、同世代の朝青員たちの一途な思いと行動力に刺激を受けた。

祖国解放から約70年、時代と共に同胞社会の形態も多様に変化を遂げてきたが、途切れることなく受け継がれてきた精神が今も光彩を放つ。そしてそれをこれからも受けいでいくのは紛れもなく3、4世たちであり、記者自身なのだ。

(梨)

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