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町田市教育委 朝鮮学校への防犯ブザー貸与取りやめ

2013年04月06日 14:57 主要ニュース

〝子どもの命と安全脅かす愚行〟

朝鮮学校関係者たちは記者会見で、町田市教育委員会の不当な「決定」の撤回と公式謝罪を求めた

東京都町田市教育委員会は同市立小学校の入学生に無償で配布している防犯ブザーを、朝鮮学校に対し、配布をしないと決定し、3月28日に西東京朝鮮第二初級学校に通達した。防犯ブザーは、2004年度から町田市内のすべての市立小学校に配布されており、私立小学校には希望に応じて配布されている。西東京第二初級もその対象として、2010年度に配布を受けている。朝鮮学校への防犯ブザーの配布が取りやめられるのは今回がはじめて。市教育委は、配布取りやめの理由を「国際情勢をかんがみると、市民の理解が得られない」としている。

これを受け朝鮮学校側は、朝鮮学校児童に防犯ブザーを貸与しないとした町田市教育委員会の不当な決定の撤回と公式謝罪を求める緊急記者会見を5日、同校で行った。

町田市長、教育長あてに、抗議の要請書を提出した

記者会見には、同校の李政愛校長、同校オモニ会の王明順会長、「朝鮮学校を支える町田市民の会」の瀬戸英治代表、「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」の長谷川和男事務局長が発言した。

李校長は、「断じて許すことのできない人権侵害であり、子どもたちの生命と安全を脅かす愚行」と、憤激を露わにした。「朝鮮学校の子どもたちはどんな目にあっても構わないということを公表しているのと同じ。今回の措置はいったい何を意図して、なにをアピールしたいのか。胸がつまる思いだ」としながら、「教育の環境を整えるべき教育委員会が、貸与しないという決定はなんとしても撤回すべき。子どもたちがのびのびと学び安心して通える環境が整えられることを願っている」と話した。

王会長は今回の措置に対し、「驚きと憤りでいっぱだが、それ以上に悲しい。なんの罪もない子どもたちがなぜこんな扱いを受けなくてはいけないのか。すべての子どもたちの安全を守るためにも、今回の配布除外が再検討されることを願っている」と訴えた。

瀬戸代表は、「今回の町田市の対応を受けて、目の前が真っ暗になった」という。そして「全国の学校現場でいじめをなくそうとしている中、その指導をする立場の教育委が自ら一部の学校だけいじめるというのは許せない。町田市の一市民として恥ずかしい。謝罪、撤回を求めるとともに、市民交流がさらに深まる方向に進むことを望んでいる」述べた。

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長谷川事務局長は今回の措置に対し、「子どもたちの命の危険を脅かす重大な決定であると同時に、日本の子どもたちに与える影響も深刻だ。安倍政権は道徳教育が大事だなんて言っているが、それとは真逆の決定をあちらこちらでやっているではないか。このようなことを黙っていたら日本社会全体が大変なことになる。この問題を解決するまで絶対後に引けない」と語った。

これに先立ち同日、「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」、「朝鮮学校を支える町田市民の会」、一橋大学の田中宏名誉教授らが、市教育委教育総務課を訪れ、石坂丈一町田市長、町田市教育委員会の渋谷友克教育長に宛てた抗議ならびに要請書を提出した。要請には、町田市教育委員会学校教育部の高橋良彰次長兼教育総務課長が応じた。

一方、社会評論家の小沢遼子さんは5日、TBSラジオの朝の番組でこの問題を取りあげ、「いったい何が狙いなのか。理由を『国際情勢をうけて総合的に判断した』としているが、明らかにいじめですよ、これは。子どもと政治は関係ない。こういう話を聞くと気持ち悪くなる」と、今回の措置を厳しく批判している。

(朝鮮新報)

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