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〈徐千夏先生の保健たより〉3月/幼児の成長痛について

2013年03月12日 10:33 コラム

ゲガなどの原因がはっきりしないのに、夜に下肢を痛がります。幼稚園から小学校3、4年ごろまでのお子さんが多いようです。一般に「成長痛」と呼ばれています。

ウリハッキョでも、先日、保健授業の際に「体に関する質問があればお答えします」という項目に4、5年生の半数が「足が痛いのですが、これはどうしたらいいのでしょうか?」という質問でした。男女ともに一番多かった質問内容でした。

成長痛の原因ははっきりしていません。成長時には骨と成長のスピードが異なり、夜間に骨の方が筋肉よりも早く成長し、そのアンバランスで痛がるとか、神経質な子どもに多いとか、長男に多いとか、いろいろ言われています。

「成長痛」かどうか、他の病気との区別が大切です。まず、整形外科の先生に相談しましょう。

元気に校庭を駆け回る尼崎ハッキョの子どもたち

「成長痛」であれば、特に治療は必要ないといわれています。

湿布や軽くマッサージをするとよいでしょう。親が痛むあたりをさするだけでスキンシップの良い効果があります。痛みは成長と共に治っていきます。

成長痛の特徴

  • 夕方から明け方にかけて下肢の膝まわりに痛みを感じる
  • 足のかかとの部分に痛みを生じる
  • 股関節や足の付け根の部分に痛みを感じる
  • 足の甲部分に痛みを生じる

もっとも下半身に多く、特に膝部分が多いようです。

成長痛を感じやすい子の特徴

  • 神経質な子
  • 兄弟がいる場合は上の子
  • 甘えが強い子ども

このような状況下の子どもは自分もわからない不安をかかえている事が多い。

突然、泣きだしてしまったり、弟、もしくは妹をかんでしまうなどの不安定な状態が続きなかなか治らない場合があるそうです。まずは安心させてあげることが大事だ。「痛いの痛いの飛んでけ~」などの魔法の言葉かけで痛みが消えるかもしれません。

子どもが「痛い」と訴えた時は「そんなの痛くない!」と完全否定するのではなく、「そうか、痛かったの?」「どこが痛かったの?」と、とりあえずは痛みを受け止めてもらうだけでも安心する場合があると思います。

最後に、疲労性・ストレス性の成長痛もあります。これはもっと思春期頃になってからのお話ですが、思春期は成長ホルモンの働きにより筋力や骨格が急激に成長していきます。そして、骨端部分が強い腱の力により引っ張られることで、大きな負担がかかり大きなダメージを受けやすくなります。

よって成長期に適度な運動を続けたり、トレーニングを行うことはとても大切ですが、オーバートレーニングや同じ部位に負担をかけないような運動メニューを心がけたいですね。

(養護教員)

(参考)社団法人 兵庫県医師会ホームページ参照

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