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第22回ジュニアイギョラ杯、地道な取り組み続けた22年

2013年01月09日 10:42 スポーツ

東京の朝鮮学校初6選抜が準優勝

ライン際のディフェンスを突破するFC KOREAの選手(白、決勝戦)

第22回朝・日親善少年サッカー大会「ジュニアイギョラ杯2012」が昨年12月23、24の両日、東京朝鮮中高級学校グラウンドで行われ、約500人の参加者で賑わった。関東圏、秋田、山梨県などの日本のトレセン(トレーニングセンター)、クラブチーム12チームが参加した大会に、東京の朝鮮学校初級部6年生の選抜チームであるFC KOREAが出場。決勝戦で惜しくも北区トレセン(東京都)に破れ、準優勝となった。

関係者の情熱こもる大会

1990年から始まった同大会は、高校生たちの朝・日親善サッカー大会である「イギョラ杯」と同時期に始まった。高校生と同様に、初級部の子どもたちも「サッカーを通じて、友好と親睦を深めて互いの民族を理解し合おう」という理念のもと、22年間行われてきた同大会は、いまでは各地の強豪チームや有名なクラブチームが多数参加する大会へと育った。

大会を支えてきたのは、在日朝鮮人東京都蹴球協会の役員を中心に組まれた実行委員会と事務局、関係者たちの惜しみない献身だ。

大会関係者は、これまで大会運営のために時間を割き、多忙な日々を送ってきた。

今大会でも地方から参加しているチームの宿泊先の手配、大会中の子どもたちのケア、試合ごとに消えかかったラインの引き直しなど、裏方で駆け回っていた。大会の広告制作は、同協会の崔仁俊技術部長(44)が手がけた。

フェイントをかけ、相手をかわそうとするFC KOREAの選手(赤)

そんな関係者にとって今回、嬉しい出来事が起こった。それは初日夕方に行われたレセプションに220人を超える日本チームの関係者、保護者、ウリハッキョの関係者らが集まったことだ。関係者によると、レセプションに200人以上も集まった記憶はないという。参加者たちは、七輪を囲んで炭火で焼肉を楽しみながら親睦を深めた。使用した七輪は50個。肉は東京都蹴球協会の高英禧会長(49)が提供、味付けもした。

事務局の洪大洙東京蹴球協会理事長(47)は、「今回のレセプションにこれほど多くの人が集まったのには感激した。事務局で、どのように客人をもてなすべきかについて意見を出し合った。本来、サッカーをした後にみんなで七輪を囲んで炭火で焼肉を食べたりはしないと思う。私たちならではのもてなしで、参加者に在日同胞の文化に触れてもらえたことは良かったと思っている」

大会2日目の昼下がり。本部席に座っていた洪大洙理事長の側へ、2人の日本チームの子どもが駆け寄った。

「イギョラってどんな意味ですか?」

その言葉に洪理事長は、「『イギョラ』っていうのはね、朝鮮語で『勝て』という意味だよ」と笑顔で語りかけた。

「やっぱりね。そうだと思ったんだー」

疑問が解け、嬉しそうにチームの待機場所へ駆けていく子どもたちを見ながら洪理事長がまた微笑む。

「ウリハッキョや朝鮮文化について興味を持ってもらえるのは嬉しい」(洪理事長)

閉会式の様子

「朝鮮学校を広く知らせたい」

大会は、有名なクラブチームが集まり、子どもたちのサッカー技術を高める場であるとともに、日本市民が朝鮮学校を訪れ、在日同胞について知ってもらうための大切な機会にもなっている。

山梨県からやってきたFC VALIE都留の小川章コーチ(55)は、今回初めて東京朝鮮中高級学校を訪問したという。小川コーチは、「人工芝の広い運動場や大きな校舎がとても立派に感じた」と感想を語った。

一般社団法人遠藤サッカーアカデミーの遠藤昌浩代表理事兼コーチ(43)は、大会に参加しながら目にした、朝鮮学校で学ぶ生徒たちの印象についてこう語った。

「彼らの教育には私たちにないものを感じる。サッカーでは、なによりも『ファイト』が大事だ。朝鮮学校の生徒たちのプレーを見ていると、相手を抜き去る、ボールを奪うなど、たたかう姿勢がはっきりしていて、学ぶことが多い。日本に住みながら国際試合をあまり経験できない生徒たちにとっては、この大会で朝鮮学校の子どもたちと試合をし交流することがいい経験になっていると感じる。お互いこれからもいろんな場所でつながりながら、同じ地域の住民としてサッカー界を盛り上げていけたらと思う」

子どもたちの活躍に駆けつけた父母も喜んだ

第1回大会から運営に携わってきた東京都蹴球協会の高英禧会長は、「毎年行われている朝・日の高校親善サッカー大会である『イギョラ杯』は、今では日本の高校サッカーの最高峰である『高校サッカー選手権大会』の常連校までが参加する大会へと育った。高級部の大会とともに、初級部でもこのような素晴らしい機会をつないでいこうという思いで始めたこの大会も、今年で22回を迎えた。大会の成果だろうか、近年コマチュック大会においても東京の朝鮮学校が上位に入賞するなど、実力の向上が伺える。強豪チームを呼んで朝鮮学校の実力向上を図るのも重要なことだが、なによりも、多くの日本市民に朝鮮学校の存在を知ってもらいたい。今後も地道に活動を続け、また幅を広げていきながら、在日サッカーを盛り上げるとともに、日本市民が在日同胞について理解を深めるそんな大会にしていきたい」

(李炯辰)

大会成績

  • 1位-北区トレセン(東京都)
  • 2位-FC KOREA
  • 3位-FC VALIE都留(山梨県)
  • 4位-草加市トレセン(埼玉県)
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