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南朝鮮大統領選挙、朴候補が僅差で当選/問われる対北政策

19日に行われた南朝鮮大統領選挙では、与党セヌリ党の朴槿恵候補が最大野党である民主統合党の文在寅候補を僅差で上回り、当選した。

朴氏と文氏の事実上の一騎打ちとなり、保革の対決という様相を呈した今回の選挙は、投票率が75.8%と過去2回(2002年と2007年)を大きく上回った。得票率では朴候補が51.6%だったのに対し、文候補が48.0%と3.6ポイント及ばなかった。  

李明博政権のもとで北南関係は悪化し、北南連結鉄道の運行も中断された(写真は北南鉄道連結区間の列車試運転のようす、07年5月)

「重大な岐路」

今回の南朝鮮大統領選挙は、保革のどちらの勢力に勝敗が下されるのかという単純な対決ではなく、「北南関係の前途に及ぼす重大な岐路」(労働新聞16日付記事)であった。

李明博政権下にあった5年間、北南関係は一気に冷え込んだ。

李明博政権は6.15共同宣言と10.4宣言が発表され、統一への機運が高まった金大中、盧武鉉政権の10年間を、「失われた10年」と断定し、北の「核放棄」と「改革・開放」を前提に北を「支援」していくというスタンスをとった。執権5年の間には、南による謀略である天安艦沈没事件(2010年3月)と延坪島砲撃事件(2010年11月)が起こり、北南間に戦争危機がもたらされた。

さらに2010年には北南関係を全面遮断する「5.24措置」がとられた結果、北南間の離散家族の面会事業や各種民間交流事業は完全にストップした。また北南経済協力の規模も従前より大幅に縮小され(開城工業地区のみ「5.24措置」の適用対象から除外)、南の中小企業の経営破綻が相次ぎ、深刻な問題となった。南朝鮮の市民層からは、政治の刷新を求める声が高まっていた。

朝鮮の各団体は、南朝鮮大統領選挙を目前に控えた時点から、李明博政権の失政を検証し、保守勢力の再執権に反対する論調を強めていた。

朝鮮赤十字会中央委員会は14日、詳報を発表し、離散家族・親戚面会事業を妨げ、北南間の人道問題を破綻させた李政権とセヌリ党を批判した。

祖国統一研究院は15日に発表した告発状で、ファッショ独裁体制を復活させ、進歩的な民主勢力を「親北」「従北」だとして無差別に弾圧した李政権を断罪した。

民族和解協議会(民和協)は17日、北南民間級協力・交流事業を阻んだ李政権を糾弾する公報を発表した。

16日には民族経済協力委員会が、南朝鮮の経済と民生分野破綻の実情を暴露した白書を発表した。

既存の政策との決別を

今回の選挙で当選した朴槿恵次期大統領は、李明博政権との「差別化」「刷新」を云々し、「経済民主化」や「国民大統合」などの美辞麗句を並べながらも、対北政策については北南首脳合意履行を明言せず、曖昧な態度をとってきた。李明博政権のもとで冷えきった北南関係が、今後どのように推移していくのかが大きな焦点となる。

祖国平和統一委員会(祖平統)書記局は大統領選前の1日、朴候補宛ての公開質問状を発表し、対北政策に関する朴候補の立場を明らかにするよう要求した。

公開質問状は、6.15共同宣言と10.4宣言を否定した朴候補の言動を問題視しながら、朴候補が持ち出した「先核放棄」論は李明博の「非核、開放、3000」と何も変わらないと指摘した。また朴候補に対し、李明博政権の対決政策と決別し、真に北南関係の改善に努める意志はないのかと問い質した。

「対決か対話か、戦争か平和か、北南関係の破綻か改善か、第2の李明博なのか、そうではないのか」(公開質問状)

当選者は今後の言動で北側の問いに答えることになる。

(金里映)